国際救助隊
五郎は防護服に着替えて担当の看護師に聞いた。
「バイタルは?」
「体温が39度。血圧80、心拍数54です」
「白血球がかなり・・・」
「採血しているんですね」
「はい」
五郎は緒方の血液を顕微鏡でみた。
「違う!これはあのウイルスの亜種だ!、それより原種に近い」
五郎は興奮していた。
「それでどうなんですか?」
同じく防護服をしていた小妹が五郎に聞いた。
「うん、出来たばかりで臨床実験をしていないが
この治療薬を使おう」
五郎はポケットからボトルを取り出した。
「大丈夫?」
小妹が五郎の耳元で囁いた。
「大丈夫だ。亮君のレシピ通りに作った」
「なら大丈夫だね・・・」
小妹はニコニコと笑った。
「小妹さん、亮君は私の誇りです」
緒方に注射を打った、子供のいない五郎は
亮を我が子のように思っていた。
「うふふ」
小妹は亮を思う五郎のほころぶ顔を
見てうれしかった。
~~~~~
亮は井の頭線渋谷駅の出口で美喜を待っていた。
「亮!」
美喜は久しぶりに二人きりで会った亮に抱き付いた。
「美喜さん、今からお買い物をしましょう」
「本当!」
「まず109で洋服を買ってファッションモデルの
幸田美喜になって欲しい」
「うふふ、そう言われるとゾクゾクしちゃう、
レザーショートパンツが良い?ミニが良い?」
「ミニ・・・」
「えっ?聞こえない!」
「ミニチュカート」
「はいはい、チュカートね」
美喜は笑いながら亮と腕を組んで
109に入って行った。
「そう言えばじっちゃんは?」
亮は美喜と一緒にいた拓馬の行き先を聞いた。
「ええとスカウトに行ったわ」
「スカウト?」
「ええ、昔海猿を観ていて感動したらしく
国際救助隊に必要だって」
「なるほど確かにサンダーバードのような装備なくちゃ
たった五人じゃ無理だ。
それにあれは2026年の話だし、
でもちゃんと考えているのかな?」
「亮はまだ言っていないからわからなようだけど、
本気で作っているわよ」
「そう、知らなかったなあ。飯田さんも教えてくれなかった」
「秘密基地だったからじゃない?」
「秘密基地なら建設業者さんは
どうなんだって昔からの話がある」
「あはは、本当ね」
現役を離れて3年以上経っても元モデルの美喜は
どこでも目立ち後ろから女性たちが羨望の眼差しで見ていた。
そして、脇にいる亮にも女性たちは目をやり
こっそりと写メを撮っている女性も居た。
「美喜さん、ここ中々良い物がありますね」
「そうでしょう、安くておしゃれでしょう」
「やはりスタジオDにもニューブランドは必要ですね」
「そう、コンセプトに合わせて最低でも
5つ以上のブランドは必要ね。その方が販売が伸びるわ。
チャイルド、スポーツ、フェミニン、エッジー、
アメリカン、そして亮の好きなガーリーなティーン・カジュアル、
あれOL系も好きだったわね」
「勉強になります」
亮は黙って頭を下げた。
「さあ、おしゃれしたわよ」
プリーツのミニスカートのワンピースを着た
美喜が亮の前でクルリと回った。
「綺麗です、そのピンクのパンティも」
「やだー。このブルー系のスカートに
ピンクのパンティはまずいわ。
ランジェリーも買ってもらおう」
「マジ?」
「うん」
美喜は自分の役目を知っていてわざと甘えていた。
「美喜さん、香港はどうでした?」
買い物を終えた二人は道玄坂の喫茶店でお茶を飲んでいた。
「関龍さんにナイフ使いと武術を徹底的に教え込まれたわ」
「彼はかなり強いそれに次期統領ですから」
「あら、次期統領は亮だと聞いたわ。
それと亮は60万発銃を撃って
外したのが5発だったそうね」
「あはは、それは都市伝説です。
撃ったのは20万発外したのは
1発です」
「でも香港に行ってよかった。忍者と
暗鬼が融合すれば最強の軍団が作れる」
「そうですね」
亮は返事をしながら時々見せる美喜の太ももに唾を飲んだ。
「亮、さっきちょっと変よ、ここの所忙しかったか
らストレスが溜まっているんじゃない、それともあっちかしら?」
「確かに変です」
亮が震える右手を見ると掌がしっとり濡れ
それを握りしめると数滴の滴が落ちた
すると店中の女性たちが亮の方を向いた。
「ん?」
それに気づいた美喜が声を上げた。
「亮、あなたの体からフェロモンが出ている」
美喜が股間を抑えて足をパタパタさせ
テーブルに両手をついて向かいの亮にキスをした。
「ど、どうしたの突然」
「だからフェロモンが出ているんだってば、
私がキスをしたから周りの女の子たち亮に手を出せなくて
ムズムズしているはずよ」
美喜はそう言って誇らしげに周りをゆっくりと見渡した。
「昨日二人に輸血をしてから変なんだ。
力が湧き上がってくるような気がする」
亮はそう言って手に持っている500円硬貨を
親指と人差し指で折り曲げた。
「わっ!」
美喜は信じられないほどの亮のパワーを見て声を上げた。
「昔から古い血液を抜くと体が新しい血液作るため体の血液が
綺麗になると言う瀉血療法と言うのがありますが
実際にその効果はないと言われています」
「なんだそうだったんだ、女性は生理があるから血液が新しくなって
男性より長生きすると聞いていたけど」
「ええ、ただ治療法の1つに血液を抜くと肝臓に溜まったヘモグロビン中の
鉄分が減少し活性酸素を減らす効果があるそうです。つまり肝臓の細胞破壊を
抑えるC型肝炎治療に効果があるとされているんです」
「へえ、難しい話だけど何となく分かる」
「筋トレをして細胞を壊し、それを再生させる為に
成長ホルモンが分泌されるから血液が無くなった時
それを作る為の何らかのホルモンが
作用される可能性があるかもしれません
たとえば女性の場合は生理が終わるとエストロゲン(卵胞ホルモン)が
分泌され卵子を作るように」
亮は自分の血液によって蓮華、桃華を救えた自分の血液に
何らかのホルモンが入っているのではないかと思っていた。
「私、今亮の猛烈なフェロモンを吸って
フラフラになっているんだから
後で責任取ってね。じゃあないと
ナンパしてホテルに行っちゃうよ」
「はい、済みません。さて行きましょうか。
好きな物買っていいですよ.その前に…」
亮は1時間後ラブホテルから美喜と手をつなぎ合って出て来た。
「うふふ、満足」
田代悦子が店長のピートに入った。
「わあ」




