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ランド不動産の計画

「はい、美宝堂が開発した立体スキャンボックスの中に入れると

美宝堂が持っている各ブランドの商品データから

真贋はもとより、リサイクル品の中古度指数が出るようになっています。

もちろん衣料品もチェックできます」


「凄いですね。それお高いんですか?」

悦子は驚きの声を上げた。

「そうでもないです。無償でお貸ししますよ。

いずれ販売しようと思っていますから」


「ありがとうございます」

悦子は亮の提案の素晴らしさに感動していた。

「では今夜よろしくお願いします」


亮は悦子との電話を切ると甲山六助に電話を掛けた。

「おはようございます團です」

「おはようございます、今電話をしようと思っていました。

 黒崎が9時の新幹線で東京へ向かいました」


「はい、黒崎さんのスケジュールを確認できますか」

「13時から経済界の会議に出席、18時から夕食会に出席。

 明日はアフリカ開発会議、国際展示場の

ビジネス博覧会に行くようです」

「分かりました。

黒崎さんがオーナーのセレクトショップにリサイクル商品を

卸す事になって黒崎さんの愛人で店長の田代悦子さんと

契約の件で会う事になりました」


「えっ、契約。どうしてですか?」

六助はどうして敵である黒崎に商品を卸すか分からなかった。

「田代悦子を味方に引き入れます。そして金の流れを調べます」

「あはは、さすがです」

六助は亮が悦子と関係を持ち骨抜きにして

黒崎を裏切らせるつもりでいると

思った。


「六助さん、すぐにこちらへ来て黒崎さんと

キャシーを一度引き合わせませんか?

 今から東京第一不動産とランド不動産の合併の話を進めますので

 思ったより不動産売買の話が早く進みそうです」


「おお、それは良い話だ、すぐに支度をします。ところで

 新大阪不動産の徳田康夫さんご存知ですか?」

「はい。絵里子さんの紹介でお会いしています」

「やはり。先日大阪の会合で今注目の青年実業家で

亮さんの話が上がりましてね。

 関西連合はぜひあなたと仕事をしたいそうです」

亮は大阪で自分の名前が上がった事に戸惑っていた。


「わかりました、よろしくお伝えください」

「今日連れて行きますよ」

「はい。でも蝶に行くと黒崎さんに

会ってしまうので気を付けてください」

亮は黒崎と甲山が蝶で出くわす事を想像したくなかった。

「あはは、分かっています。今夜は新宿のラブポーションに行きますよ」

「無理はなさらないでください。絵里子さんと

連絡を取ってカブらないように行ってください」

「はい、了解です」


亮は電話を切るとキャシーを連れてタクシーで東京第一不動産に向かった。

「亮、昨日はゴルフ場で何が有ったの」

キャシーは自分の買ったゴルフ場で事件があった事を

心配していた。

「支配人室が爆破されました」

亮は運転手に気づかれぬように英語でしかも小声で話をした。

「えっ、本当」


「ええ、おそらく支配人の命を狙ったと思います。

 そこに来た仁木さんと三雲さんが命を救ったわけです」

「どうしてそんなことに?」」

「実は9番ホールの脇にあるセカンドクラブハウスが

敵のアジトだったんで人工的に作られた

ウイルスの実験がされていました。

もっとも支配人は何をしていたか知らなかったようですが」

亮は蓮華と桃華が小声で英語で話をした。


「えっ、そんな危険な事を!」

「はい、元のオーナーがそれを認めていたようです」

亮は一文字の話をすると長くなるので

それは後で話をする事にした。

「元のオーナーの方が問題ね。もっと日本は治安が良いと思っていたわ」

キャシーは日本の治安の悪さに驚いていた。

「キャシー済みません。日本はそんなに治安は悪くありません。

 僕の回りだけ事件多いんです」


「うふふ、そうね。亮は危険な男だわ」

「幸い、ゴルフ場の代金は昨日払ったので

郁美さんが売買金額を落とすように交渉しています」

「そう、転んでもただじゃ起きないのね」

「はい、転んでい起きる時には1円玉でもいいから拾えと

 祖父の言葉でしたから」


「・・・私の祖父は25セントだった・・・」

キャシーは自分と亮があまりにも似ている事に驚き

亮の肩の頭を乗せた。

「それで名義が変更になったばかりですが会議が終わったら、

警察が聴取に来ますので、そこで詳しい捜査状況を聞き出します」

「はい、亮。何か手伝って欲しい事があったら何でも言ってね」

亮のすべてを信頼しているキャシーはどうすれば亮の

力になれるか考えていた。


「一つお願いが」

「何?」

「これからどんなウイルスがばら撒かられるか分かりません。

ワクチンが出来るまで手洗い、うがいを忘れずに」

亮は妊娠中のキャシーの体が心配だった。

「分かったわ・・・手洗い、うがいね」

「そうだ、炭を使った蓄電システムを設計しました」

「本当!」


「はい、炭を0.5mmハニカムの1.5mの棒状にしてそれをさらに

200本束ねて充電池を作ります。それ1本が150kwh

を蓄電できます。1家庭が1日消費する電力量が13~20kwh

 ですから週に1回充電すれば良い事になります。

そしてビルの場合は1㎡当たり1日4kwhの電力を消費します。

1フロア1000㎡の10階建ての商業ビルの場合

40000kwhですから266本必要です。

1本あたりが5kgですから1330kg、面積で26.6㎡つまり

6m角のスペースに収まります。これに太陽光で発電された電気を

充電すればいいわけです」


「太陽光パネルはどれくらい発電できるの?」

「1㎡あたり250wです。つまりビル全体の電気をソーラーシステムで

賄うためには16×10000。160,000㎡の

パネルが必要になる訳です」

「つまり屋上一面にパネルを敷き詰めても

160分の1の発電量にしかならないのね」

キャシーは性能の良い電池を亮が作っても太陽光発電能力が低くては

電力節減にならないと思ってがっかりした。


「はい、それで秘策が有ります」

「何?」

「今日の会議で発表します」

「随分もったいぶるわね。済みません資料が有った方が説明しやすいので」

「まあ、良いわ。亮に任せておいた方が楽だから」

キャシーはタクシーの中で足を組みなおした。


~~~~~

亮とキャシーが大手町の東京第一不動産に着くと

先乗りしていた一恵がドアを開けてタクシーの脇に立っていた。

「お疲れ様です」

一恵はタクシーから降りてきた亮に話しかけた

「一恵さん資料の方は?」

「できております」

一恵は資料を亮に見せた。


「ありがとうございます。では、これを皆さんに配ってください」

「かしこまりました」

一恵は亮とキャシーの前を颯爽と歩き

東京第一不動産の会議室に案内した。


会議室には弁護士の沢村隆と来島幸子が席に座って

亮とキャシーの姿を見て立ち上がった。

「おはようございます」

「おはよう」

キャシーは頭を下げる沢村隆と来島幸子に手を差し伸べ優しく握手をした。

そこに久保田郁美が入って来て亮の耳元で囁いた。


「亮、熱海国際カントリークラブが警察の現場検証で

営業中止になったわ。お蔭で売却値段を下げさせて

一部返却させる事になったわ」

「ありがとうございます。名義変更の件は大丈夫なんですね」

「そっちは大丈夫。昨日払った50億円をキャンセルしたら

倍返しだから100億円になっちゃう」

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