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救命処置

理沙は深々と頭を下げた。

「團さんに話は伺いました。熊田との件。

 私でよかったら力になります」

「ありがとうございます、大門さん」

亮は二人の曰くのある関係にある気づき

その場から密かに身を引いた。


「亮、後は私たちに任せて行って」

キャシーが来て語り掛けた。

「良いんですか?」

「ええ、気持ちここにあらずでしょう。あなたの敵は私たちの敵

 やっつけて!」

「はい」

亮はキャシーの面倒を玲奈に託し

嬉しそうに早足で会場を出た。

「亮、日比谷公園に行って」

一恵が亮の後ろに付いて言った。

「日比谷公園?」

「すべて準備が出来ています。タキシードお預かりします」

一恵は上着を預かると黒いバッグを渡した。


「了解です」

「お気を付けて」

亮はT国ホテルを出て日比谷通りを渡って広場に立つと

間もなく空から強烈な光が亮を照らしロープが降りてきた。

亮はそれを見上げるとヘリコプターから乗務員が手招きをする

姿が見えた。


亮はそれを見てロープの輪になっている部分に足を掛け

合図を送った。

日比谷公園を散歩するカップルたちは静かな公園に響き渡る

爆音に唖然として空を見上げていた。


ロープで引き揚げられた亮を迎えたのは

乗務員だった。

「ようこそ、ミスター團」

「どうも・・・」

亮はまだ状況が分からなかった。


「私たちは命令を受け團さんを目的地に送るように

言われました。米軍キャンプの者です」

「そうですか、では熱海へお願いします」

「イエサー」

そう言ってヘリのパイロットは

ヘリの高度を上げ南西に向かった。


「キャプテン、どれくらい時間がかかりますか?」

インカムを付けた亮はパイロットに聞いた。

「ここから約62マイル、25分くらいです」

「ありがとうございます。キャプテン」


「サムって呼んでください。團さんあなたの活躍は聞いています」

パイロットは亮に尊敬の念を抱いて気軽に話しかけた。

「RYOと呼んでください。ところで僕の活躍とは?」

亮は何処まで情報が漏れているか確かめた。


「我々はハワイのハイジャック事件を解決したのはあなただと伺っています」

さすがにサムは極秘情報の横須賀沖のEMP爆弾の話はまでは知らなかったが

日本人が知らない情報を極東のアメリカ軍パイロットが知っていた。


「そう言えば米軍ヘリを手配したのはどなたでした?」

亮はなぜ都心の日比谷公園に米軍ヘリが来たか不思議だった。

「俺は上からの命令を受けただけでさっぱり分からない」

「そうですか・・・」


「ただ、緊急で横田方面の夜間飛行をできるのは

制空権を握っている米軍だけだ」

サムは自信を持って亮に答えた。


※米軍基地のある横田上空は

米軍機優先の為、日本の民間機の飛行を禁止されている

羽田空港を飛び立った旅客機が大きく海側に迂回するのは

それが原因で、もしもこの制空権がなければ

年間数億円以上の燃料費が節約でき時間においても

節約されると言う。


~~~~~

熱海病院に運ばれた蓮華はストレッチャーに乗せられ

処置室に運ばれていた。

小妹は医師の一人に状況を説明した。

「えっ!車から落ちた?」

医師は事件性があると確信した。


「はい、落とされたようです」

「それは警察に通報しなくてはいけませんね」

「勿論です。警察にはこちらから連絡をしました」

「しかし、変ですね5m上から落とされて手と頭に傷があるだけですが」

医師は小妹の言う事を疑っていた。


「それはおいおい説明しますが。

 本人が言うに

は何かを注射されていたようです。血液検査をお願いします」

「毒物ですか?」

救急の医師と小妹の話は全くかみ合っていなかったと言うより

小妹たちの行動は世間一般の人が知る事の無い事実だった。

「それが分かりませんが。もし毒物だったら

もう反応が起こっているはずです。

 ひょっとしたらウイルス系の物ではないかと・・・」

「そんな・・・まるで細菌テロじゃないですか」

医師は冷ややかな目で見ていた。

「お検査料はお支払いしますからどうかお願いします」


「まあ、良いですけど・・・ウイルス性だったら

発病までの潜伏期間があるはずです。

 たとえばインフルエンザなら24時間から72時間ですから

 今血液検査をしても発見ができないかもしれませんよ」

「そうですね・・・」

亮は医師の行った事に納得してうなずいた。


※発病の潜伏期間とは食中毒、菌黄色ブドウ球菌などは潜伏期間が

1時間から5時間、ボツリヌス菌に至っては潜伏期間が長く3日~9日

もかかる。

ちなみに猫や犬に噛まれると噛まれた場所から膨れ上がる事があるが

それは犬や猫の口腔内にカプノサイトファーガが原因で

化膿する事があり発症まで30分と時間が短い。


「蓮華さん、蓮華さん」

処置室で看護師が蓮華の名を呼んだ。

「はい・・・」

蓮華は看護師に小さな声で答えた。

「痛い所ありますか?」

蓮華は首を横に振った。

医師は速やかにレントゲン写真を撮り、声を上げた。


「骨折箇所肋骨2カ所!」

「それだけですか?熱海道路から5m下へを走っている車から

 投げ出されてと聞いていますが」

看護師が驚いて聞いた。

「ああ、しかもこの骨折は心臓マッサージが原因らしい」


「本当ですか?」

小妹とマギーによって既に脱がされていた炭素繊維ウエア

強さを知らない医師たちは

まさに奇跡としか思っていなかった。


そこへ緑川五郎と北川沙織が熱海病院へ到着した。

~~~~~

「サム、たとえ救急のドクターヘリでも

横田近辺は飛べないと言う事ですか?」

「まあ、そんな時は許可しないわけではないだろうが

日本人はそんな許可を得るくらいなら迂回するだろうな」

「確かに・・・」

亮はその時ゴルフ場に来ていた救急車を思い浮かべた。


支配人室を爆破して、仁木と三雲の気を引いて囮が逃げ、その間に

救急車に茂蔵が乗っていたら簡単に逃亡できる。亮はそう考えた。


「雪さん、ゴルフ場から出た救急車は何処に向かっていますか?」

亮は雪に連絡をした。

「ええと・・・ちょっと前にゴルフ場を出て

サイレンを鳴らして熱海市街地に

向かっています」

「了解です」

亮は急いで仁木に連絡をした。

「仁木さん、ゴルフ場へは寄らず救急車を追ってください」


「救急車ですか?」

「はい、さっきの報告では怪我人は出ていないはずなのに

救急車がサイレンを鳴らしてゴルフ場を出ています。

茂蔵が乗っている可能性があります」

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