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救出計画

「はい、心に留めておきます」

亮は車が会社の前に止まると走って行った。

~~~~~

「パト。キム・ユンヒの行き先をダン教えなくていいんですか?」

運転をしていたモリスがパトリックに話しかけた。

「ああ、もし行先を伝えて彼が深追いしたら命が危ない。

 我々の協力体制が出来た時まで待とう」

「上はなんて言っているんですか?」


「ドライアイスプロジェクトがあるから團亮を

この危険な世界から引き離せと言っている」

「確かに、あんなに優秀な人物は裏の

世界に足を突っ込んではいけないですね」

「その通りだ」


~~~~~

亮が事務所に戻ると小妹と仁木と三雲が居た。

「三人ともおはよう、蓮華と桃華の映像を入手した。

 確認しよう」

亮はDVDをみんなに見せた。

「あら、この映像ネットで送って来たんじゃないのね」

「日本で撮った映像ですからあちこち行くよりいいでしょ」

亮はパトリック言われたように雪に答えた。


早速受け取ったDVDの映像の確認をすると

爆発が起きてぐったりとしている蓮華と桃華を茂蔵が

両脇に抱え有栖川公園から連れから去られる様子を確認した。

「二人とも生きている?」

小妹がモニターを見ながら亮に聞いた。


「二人とも生きている。間違いない。

瞼の痙攣とかすかに呼吸もしている」

生きている二人を確認した全員は緊張がとけ息を吐いた。

火事の公園の前で二人を乗せた車は

素早く天現台方面に走り去って行った。


「茂蔵が蓮華と桃華を誘拐しても

身代金なんか取れる訳ないわ」

小妹は蓮華と桃華が何故連れ去られたか

理由が分からなかった。

「小妹、もしかしたら茂蔵の仲間のキム・ユンヒが

蓮華や桃華から暗鬼の活動情報を入手したいと思って

 居るんじゃないか?」


「それは無理、彼女たちは絶対に自白しないわ、

それは暗鬼に居たキム・ユンヒは良く

知っているはず」

小妹の言葉に亮たちが考えあぐねっていると雪が

声を上げた。


「亮さん、彼女たちが乗せられた車N社、2018年型、

黒のライトバンを警視庁のNシステム

(自動車ナンバー自動読み取り装置)

追跡して小田原まで確認が取れました」

「雪さんありがとうございます。その先は?」


「小田原から先はNシステムが設置されていないので

箱根方面か伊豆方面かまだ分かりません。

この後は市内にある防犯カメラで映っている車両を追跡します」

雪は自信もって答えた。

「大丈夫ですか?」


「はい、時間がかかりますが。車両と

ナンバーが分かったので大丈夫です」

「それと運転をしている男の顔を顔認識

システムで照合してください。

 ひょっとしたら何者かわかるかもしれません」

「分かりました」

麻実がCIAから入手した映像から運転手の

顔を取り出した。


「亮さん、この顔日本人じゃないみたい。かなり彫が深いわ」

「そうですか・・・」

そこに美咲から電話がかかって来た。

「亮、今どこ?」

美咲の決め台詞に亮は笑いながら答えた

「おはようございます、美咲さん。事務所に居ます」

「あら、随分早いのね。昨日の件で報告よ」

「何かあったんですか?」


「ううん、後で亮が酒井組長とホワイト興業に入江社長と

ホストの浩二を逮捕したものだから大忙しよ。亮への

殺人教唆を入江は認めていないようよ」


「まあ、普通否認しますよね」

「取り調べ官が酒井組長に自供させればいいんだけど」

「大丈夫ですよ。会話は録音してありますから」

亮が淡々と答えた。

「なんだ、早く言ってよ。余計な気を使っちゃったじゃない。

すぐにその証拠を持って新宿署に行って」


「はい了解です。行く時間が決まったら連絡します。

でも悪党を一網打尽にしたかったんだからじゃないですか」

「それが葛山を捕まえたのは、警視庁生活安全課。

酒井組長たちを捕まえたのは新宿署の特捜、

橋本、優弥死体遺棄を調べているのは警視庁捜査一課、

調整が大変よ」

美咲は亮に愚痴を言いたかった。


「そうですね。とにかく全員を必ず訴追

(検察官が刑事事件について公訴を提起しそれを遂行する事)してください」

「分かっているわ、それで亮の今日の予定は?」

「そうだ、入国管理局で調べてほしい人が居るんです」

「それは可能だけど名前と国を教えて」

「顔しか分かりません」


「じゃあ無理よ。日本に住んでいる外国人が

何万人いると思っているの?」

「200万人プラス観光客」

亮が答えると美咲のため息混じりの声が聞こえた。

「でしょう」


「そうですね・・・また連絡をします」

亮は諦めたわけではなかった。美咲との電話を切ると運転席の

男の動画を何度も繰り返し見てメモを書き始めた。

「亮、何をやっているの?」


「運転手の男が後ろの席に何かを

しゃべっているんだ。その内容が知りたい」

「亮の得意な読唇術ね」

「うん・・・小妹、統領に連絡をして状況を伝えてください」

亮はモニターを見ながら小妹に指示をした。


「分かった」

小妹は亮に言われすぐに暗鬼の統領趙剛に電話を掛け

状況を説明した。

「そうか・・・」

趙剛は声が小さく答えた。


「それでどうすればいいですか?」

「任務の最中に捕えられた場合は自力で脱出するか

それが叶わなかった場合は自分で命を絶つそれが

 暗鬼に掟だ」


「でも、蓮華と桃華は私の幼馴染・・・」

「そんな事は関係ない、我々はそうやって組織を護るために

仲間を見捨てて来たんだ。今回二人を救ったら、他のメンバーも

任務に失敗しても助けてもらえると思ってしまう」


「でも昨日、私は暗鬼に助けられた。どう違うの?」

「お前が人質になっていなかったからだ。

 とにかく捕まったら救出しない。それが掟だ」

「うん、確かに掟だけど・・・」


小妹は趙剛に言われなくても暗鬼の掟は分かっていたが

どうしても二人を助けたかった。

「とにかく、組織では連華と桃華は暗鬼

して組織として助け出すことは

 できないそれが掟だ!」

趙剛は強い基調で答えた。


「分かりました」

「亮に念をおしておけ!」

「はい・・・」

小妹は納得いかないまま返事をして電話を切った。

「亮、蓮華と桃華を救出に行ってはいけないって」

小妹は気落ちして亮に言った。


「なるほど・・・そうですか・・・」

亮はそう答えても手を止めず、小妹の声を聞いていた。

「亮!聞いているの!」

小妹は強い口調で亮に言った。


「はい、聞いていますよ。要するに暗鬼として

二人を助けに行かなければいいわけでしょう。

 僕は友達の蓮華と桃華を必ず生きたまま助け出します」

「亮・・・ありがとう・・・」

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