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買収

「そうですよね、ただピーエヌエーが

上場前に資金難に陥った時

裏で山田組から金を借りたと言う黒い噂があります。

 株価が暴落した時、山田組はピーエヌエーの持ち

株をどう扱うかが問題です」

「えっ、そうなんですか?」


栗田は初めて聞いたピーエヌエーの裏の

事情を知って驚きの声を上げた。

「おそらく山田組は上場益を受け取り十分儲かったはずだ。

 葛原が逮捕された情報で株価が

落ちたらすぐに売るだろう」

秀樹が山田組の動きを予想した。


「ピーエヌエーはネットゲーム会社だ。

情報に敏感な若者の反動が大きくて若い女性の

反発を受けて再建に時間がかかるだろう。

喜ぶのはライバル会社のグリーンだな」

内村が自分の意見を述べると亮が静か語りかけた。


「みなさんピーエヌエーの株をいくら

お持ちか分かりませんが、アメリカンウエブが株を

すべて引き取ります。いかがですか?」

横山と平田は亮の話に顔を見合わせた。


「と言う事はアメリカンウエブはピーエヌエーを

買収するつもりですね」

「はい、そうとってもらっても結構です」

亮は横山の問いに答えた。

「亮さんはロビンさんの承諾は取ってあるんですね」

横山は念を押して聞いた。


「はい、これでもアメリカンウエブの副社長ですから」

「えっ!」

初めて聞いた話に全員は驚いて亮の顔を見て

ロビンと娘の美佐江との交際を許可した

秀樹だけがニヤニヤと笑った。


「亮君、そうだったのか。道理でロビンと仲が

いいと思っていたよ」

内村が言うと亮はアメリカの公共施設が使っている

ハイテクセキュリティのシステム販売、

セキュリティハイヤーを運営する警備会社

を作る計画を話した。


「それは面白い、ぜひ当社のビル管理に使わせてください」

犯罪率が高い大阪の甲山六助が一番に反応した。

「我々が開発した認識システムを利用した、

オレオレ詐欺撃退システムがあります」

「ほう」

全員が体を亮に向けた。


「音声認識システムを利用した電話で、

頻繁に電話を掛けてくる

 人の声を自動的に記憶して行きます。

そして初めて電話を掛けてくる

 人の声にはプププと言う警告音が入るんです」

「つまり、息子と名乗る人間が電話を掛けてきても

 警告を出すわけなんだね」


「はい」

「確率は?」

「99%大丈夫です」

「おお」

全員が声を出した。

「では最近の受け取り詐欺で息子の代わりに

取りに行くと言うのはどうなるんだ?」


「はい、前もって「ミス、お金、弁護士、代わりの者や友人」など禁止

ワードを登録しておくと自動的に警告音が入ります。そして自動的に

録音も開始します」

「なるほど・・・」

平田は詐欺に利用されている銀行として

ぜひ利用したいと思った。


「じゃあ、スマートフォンは?」

「もちろんスマートフォンは専用アプリを入れれば簡単です」

亮は栗田の問いに答えた。

「何とも凄い事を考えるな」

秀樹が自分の息子の事に驚いていた。


「他には顔認識システム利用したエリア防犯システム。

 団地などの私有地のエリアに前科者が入って来た時警告を鳴らす物です。

 たとえば、前科者の再犯率は一般犯罪で49.6% 傷害45.5% 殺人41.1%

 強盗37.6% 強姦33.3% 放火46.9%つまり前科者を警戒しているだけで

 40%以上の防犯になる訳です」


「なるほどそれは凄い!しかし前科者のリストを手に入れる事は

 個人情報保護法で問題になるのではないですか?」

個人情報を大量に扱っている銀行の横山が聞いた。

「もちろんです。ただ凶悪犯人においては

報道関係から情報を収集するのは簡単です。

 警察の協力を得ればもっと詳しい情報も・・・」


「なるほど・・・今日紹介されたあの人か」

横山も平田も原巌警備局長を紹介された

事に納得してうなずいた。

「ところで君の事だ、他にも構想あるんだろうね」

「もちろんです内村社長。防犯ガラス、

ひったくり防止グッズ、それとチャイルドセキュリティ、

五島さんもぜひお願いします」


「ああ、分かった分かった。それで価格は?」

「そうですね、他社より安くなるのは確かです。

セキュリティシステム代金と運営システムトータルで

1500万ドルくらいですから


「その会社、我々も参画させてもらえないか」

横山が手を上げた。

「うちもぜひ」

平田も甲山も声を上げた。それには1500万ドルの

融資の話があるので、とても嬉しがっていた。


「さて、ランド不動産の件だが」

グループ内に不動産会社を持っている平田は気になっていた。

「はい?」

「キャシー・ランドさんはどれくらい本気なのですか?

外資系企業は業績が悪るくなったり人間関係が悪くなるとすぐに

撤退するが・・・」


「はい、キャシーは今年の12月まで

日本に居ますからかなり本気ですよ」

亮は不安げな平田の質問に答えた。

「えっ、ランド不動産のCEOが12月まで!しかし、本社の方は・・・」 

亮とキャシーの関係を知らない平田は疑りの表情を隠せなかった。


「たぶん大丈夫です。素晴らしい本国にはスタッフが居ますから」

「うーん」

亮が答えると平田は驚きながら椅子に深く座り直した。

ハワイでキャシーと亮の関係の深さを知っている

栗田は平田の耳元で何かを囁くと

平田は亮の方を見て微笑んだ。


「まずランド不動産の日本進出の最初の仕事はO駅再開発と

 F電機跡地利用を考えています」

「それは難しい・・・」

平田はつぶやいた。

「ある政治家が絡んでいるからですか?」

亮は岡村幹事長の事を示唆して言った。


「・・・」

横山も平田も栗田も腕を組んでうつむいた。

「僕は政治家のしがらみになんか負けませんよ。

 F電機跡地の一部に資金で困っている町工場を集めて

支援して技術力を高めて日本だけにしかできない商品を

世界に売って行きたいんです」

「その話、マジですか?」


栗田の父親の都議時代懸命に町工場支援を奔走していた姿を

栗田は思い出した。

「はい、中小企業は大手企業の値引きにあい利益が少ないうえに

融資を受けにくい為に経営が切迫しています」

亮は金融業の全員の顔を見た。


「それは利益を追求する企業としては回収できない

 企業に貸し付けはできません」

現場貸し付けの現場に最も近い業務をこなしている

加賀が諦めたように答えた。


「その通りです。だから我々が介入して資金、後継者、従業員雇用

 問題を解決します」

亮は死の淵から蘇って来たその時のから

女性の雇用に力を入れる事を考えていた。

横山たち五人は回収に安全な亮が作る組織に、

多額の資金を融資できると

期待してにこやかだった。


亮は東京第一不動産との合併の話は

もう少し進んでから話そうと思っていた。

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