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遮光器土偶は受付ロボットではなかった。

遮光器土偶に話しかけられた。

よくできているな~、この、ロボットと思っていたのだが・・・

どうも、様子がおかしい・・・

第一章どこだ?

その3 シャコウ・ドキさんて何?


 シャコウさんは、どうやら話のかみ合わない俺たちに違和感を感じたようだ。


 シャコウさんとの会話が途切れると、周りは静寂につつまれた。


 子鳥のさえずりと、虫の音以外は聞こえない。

 いや、耳を澄ますと風にそよぐススキの音が聞こえる。


 徐に、シャコウさんは、私のつま先から頭のてっぺんまで眺めた。


 そのときニャン吉が、私の腕から飛び降りた。

 そして穂乃花に向い走って行って飛びついた。

 飛びつくと、穂乃花の服の裾から、服の中に潜り込む。

 あわてて穂乃花はニャン吉が服の裾から落ちないように抱え込む。


 どうやら、ニャン吉は、シャコウさんの視線が怖かったようだ。

 まあ、怖いといつも穂乃花の服の下に潜りこむものな。


 シャコウさんが俺に話しかけてきた。


 「ああ、これは失礼。海外の方ですね?」

 「え?」

 「わかりますよ、服装を見れば。この国の人でないことぐらいは。」

 「あ、え・・、そうです。すみません、説明せずに。」


 自分達のことを説明しても、シャコウさんは理解してくれないだろう。

 なら、海外の人と勘違いしているなら、それが良いと判断して話しを合わせた。


 すると、穂乃花が割り込んできた。


 「え? あのさ、なんで自分の国で私たちを海・・」

 「穂乃花! 服の中でニャン吉が暴れそうだ!」

 「え、やだ、こら! ・・ん? おとなしいじゃん!」

 「そう? 暴れそうに見えたからさ。」


 よし、穂乃花への猫だまし成功。

 せっかくシャコウさんが勘違いしてくれているんだ、そのままにしようよ。


 「穂乃花、すこし離れたところでニャン吉を安心させて。

  そうしないと服の中で暴れだすよ?

  俺はシャコウさんと、ちょっと話ししているね。」


 「そっか、わかった。」


 以前、ニャン吉が怖がって穂乃花の服の中に潜りこんだことがあった。

 服の中でもニャン吉はパニックが収まらずに暴れたことがある。

 そのときは、穂乃花の脇の下から、袖に潜りこうもうとした。

 たぶん、狭くて暗い場所を見つけたと思ったのだろう。


 穂乃花は脇がニャン吉の頭の毛でくすぐられ、笑い転げて暴れた。

、ニャン吉は、服の中で、それに驚きさらに暴れた。

 まるで、一人で二人羽織アクション、又は、へんな阿波踊りの様相を呈した穂乃花だった。

 それに穂乃花は、懲りていた。


 それを思いだしたのであろう。 

 この状態でニャン吉に暴れられるのはまずいと。


 穂乃花が離れた場所に移動しニャン吉を落ち着かせ始めた。

 その様子を見届けた後、シャコウさんに話しかけた。


 「失礼しました」


 「いえいえ、こちらこそ失礼しました。

  海外の方はあまり知らないかもしれませんね。

  私はシャコウ族で、人間です。」


 そう言って、シャコウさんがシャコウ族という人種の人間であることを説明した。

 

 まあ、そう聞いても見た目は遮光器土偶そのものなので違和感がある。

 肌の色も人間の肌というよりは赤土に近い色をしている。

 目も大きい上に飛び出た形状であるし、ね。

 髪型といい、来ている服装、体系・・・遮光器土偶そのものである。

  

 シャコウさんは、さらにこの国の説明もしてくれた。

 

 「この国は多数の部族がおります。

  あなたに似た体躯として、縄文族、卑弥呼様が統治している倭族がおります。

  そして貴方とは体躯が全く異なる種族がいます。

  隼人族、

  土蜘蛛族、

  そしてシャコウ族です。

  あなたのような体躯の方しかいない国から来ると、

  私を見て勘違いするかもしれませんね。」


 「あ、え~と、その、すみません。」


 そう謝罪すると、穂乃花も耳をすませていたのだろう、

 頭を下げながら謝罪をする。

 「ごめんなさい!」


 うん、素直な穂乃花は大好きです。そして可愛い。

 うふっ! 俺の彼女なんだよね。


 シャコウさんは、このやりとりを見た後、話しを続ける。


 「いえいえ、気にしないで下さい。

  あなた達を見て、本当に我が部族を知らないことがわかります。

  そして、差別をして言っているようには見えません。

  お気になさらず。」


 そのように言ってくれる。


 「ありがとうございます。」


 「ついでですが、すこし我が国についてお話をしておきましょう。」

 そう言って以下のような説明をしてくれた。


 海外のように中央集権ではなく、各部族が自領の自治権を持つ集まりの国家であること。

 領地には、この部族だけという場所もあれば、複数の部族が混じって暮らす所があること。

 この関所の先は、シャコウ族と縄文族の2部族が混じって暮らしていること。

 そして、シャコウ族は2%位しかいない少数部族であること。


 これらの説明を聞いて、多少はこの国を理解できた。


 ちなみにシャコウさんは、シャコウ族の長だそうだ。

 フルネームは、シャコウ・ドキさんというらしい。

 作者よ、もうすこし捻った名前にしろよ・・・受けを狙いすぎじゃないのか?

 

 そして、シャコウさん、長たる貴方がなぜ関所の門番をしているんだ?

 つっこみどころ満載だよね。

ストーリー展開には手を加えていませんが、文章が長すぎたり、動作の説明に違和感があった箇所を修正しました。

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この小説は完全(?不完全)な空想物語です。

縄文時代の物を対象にして書いておりますが、縄文時代での話しではありません。

かといって縄文時代の物だけを登場させるわけではありえません。

パラレルワールド(?)で、まったく現在と異なる文化の世界に、突然現代人が飛ばされる物語です。

ですから、時代的にこれはあり得ん、という歴史的、文学的なことを考えずに読んでいただければと思います。

軽く鼻でフン、と、笑っていただける物語をめざしております。

もし、読んでいただき、こういうストーリーも有りか、と、ちょっと共感していただけたら、嬉しいな、と。

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