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君に届け、僕の声  作者: 高崎菜優多
13/14

決着2


「いじめを受けててずっと思ってた。あんたの中にあるもやもやした何かを。

自分を守らないといけないわけを。

最近やっとわかったんだよね。

ずっといじめられっ子してた甲斐はあったのかも。もうこりごりだけどね。」


室は驚いていた。


「うそ・・・・じゃあ、今までのわざと・・・!?」

「だって普通じゃない。普通じゃ考えられないこと、あんたはしてきたもの。

それを探るのにすごい時間かかったんだけど。」


森村はため息を吐いた。

森村がちらりと室を見るとびっくりしていた。


室は静かに涙を流していた。

それが次第にしゃくり始めた。


「なんで怒らないの?私、森村さんに酷いことしたのに!」


森村は慌ててハンカチを出して涙をふいてあげた。

その行動に、月哉も三枝もびっくりしていた。

普通、いじめられていた人物の涙など拭けるだろうか。


「私が優を取ったのに!私がみんなに森村さんを嫌うように仕向けたのに!」


森村は涙を拭きながら言う。


「優のことはもう終わったことだし、あたし今好きな人もいるから別にもういいのに。

誰も取らないよ。学校の人は誰も取らないよ。

ごめん、クラスの子に聞いたの。綾花のお母さんが再婚したことと、お父さんが亡くなったこと。」


森村は静かに語りかける。

それはまるで、教会の尼さんのように、優しく穏やかな声だった。


「誰かに当たらないとどうしようもなかったんでしょ?

こんなこと誰にも相談できないでしょ?

だってクラスの子みんな、うわべだけの仲良しだもんね。

あたしは違うよ。ちゃんとお話聞いてあげるよ。

励ますとかはできないけど、一緒に泣いてあげることはできるもん。」


月哉はその姿をみて、森村の優しさを噛み締めた。


「私・・・・」


室が呟きだす。


「私、ママが浮気してたの。それでね、離婚してすぐにその人と結婚したの。

パパはそのあとすぐに自殺した・・・・・・。

だから怖かった。

優がいなくなったら私、きっと生きてけない。

でも、私のせいで森村さんが死んだらどうしようって、ちゃんと存在を確かめとかないと怖かった・・・・ごめんなさい・・・・・・。」


馬鹿じゃないの、と森村は言って再びため息を吐いた。

室の手を取った。


「あたしがそんなことで死ぬわけないでしょ。

あんたたちからの嫌がらせのほうが死にそうだったわ。」


わざと冗談っぽく森村は言った。

たまってたものが吐き出されたのだろうか。

室はずっと泣いていた。

月哉と三枝は見守っていた。

森村は室が泣き止むまでそばにいた。


室が泣き止むと、三枝が連れ立って帰った。

月哉と森村はその場に残った。

月哉は真っ先に聞いた。


「てか、お前その怪我なに?」

「人災だけど?」


さらりと答えた森村を月哉はぎゅっと抱き締めた。


「先輩!?」

「馬鹿野郎・・・・お前・・・」


森村に会えたことが嬉しくて。

久しぶりに会えた喜びを噛み締めた。


「あの・・・あたし勘違いしちゃうからそうゆうのやめてよ」

「え?」

「先輩が好きなのはイノリでしょ?あたし、キサトなんだけど」

「知ってるけど?」

「じゃあ、なんで・・・」

「三枝なんか忘れてしまえ。俺が目一杯甘やかしてやるから。」


月哉のその言葉に、森村はぎゅっと抱き締め返して応えた。

それから笑いあった。


「あたし、ビッチらしいんだけど。」

「いい子ぶられるよりマシ。」

「なにその言い方!最低!」








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