人類の敵、魔王に認定されたようです。
「どうしてこうなった?」
何度目の呟きだろう?
目の前の敵を目にして、意味のない問いと知りながら、それでも我慢できず、声が出てしまう。
目の前の敵、聖女神教連合軍。
アムネリア王国の周辺諸国がこぞって参加した大軍である。
その数、号して10万。
発端は、2か月前に起こった一つの託宣である。
聖女神教の主神、アナスタシアからの託宣。
魔王 イリヤマ・ハルキを撃て!!
いきなり、魔王宣告されました。
まぁ~史実でも、織田信長みたいな内政チートは、魔王呼ばわりですが、、、僕は、聖女神教と揉める事なんてしてないよ。
なんで?
そもそも、結婚式の時、神官も祝福してくれたじゃん?
意味わかんないよ。
まぁ~有象無象の軍が10万は良いよ。
絶対勝てないと言う訳じゃ無いから。
問題は、先頭に居る人。
それは、勇者。
まぁ~僕を魔王呼ばわりするんだから、居るよね勇者。
でも、なんで元クラスメートを召喚するかな?
女神って、みんな性格悪くない?
まぁ~でも、知り合いだからって、躊躇ったりはしないよ。
なにせ、相手はイケメン相川!!
軽音部だか、何だか知らないけど、こいつの女癖の悪さは最悪。
なのに、リアルハーレム状態だった男の敵。
12月24日、2月14日、憂鬱な日がやってくる度に、同志たちと、奴の闇討ち計画を何度立てた事か・・・
もっとも、イブ前に彼女が出来た裏切り者とか、義理チョコを入手していた造反者の私刑を優先した為、いつも計画倒れで、実行できなかったが、、、
そんな訳で、引き金は、水素より軽く、光より速い!!
奴が寝言を言う前に、戦車砲の砲弾が奴に直撃、爆煙に包まれた。
「げっ」
効いてない。
奴が叫んでる内容から、スキル「砲弾無効」が全ての戦車の砲弾、銃弾を無効化するらしい。
仕方が無い、パンツァー・フォー!!!
轢き殺すしか方法がない。
と、前進を命じた直後、勇者の取り巻き、所謂ハーレム要員ね。
彼女たちが呪文を唱え、勇者たちの前に巨大な落とし穴作りやがった。
辞め辞め~~止まれ~~
大声で停止を命じて、直ぐに戦車隊を下げる。
間一髪で、勇者たちが放った火球から難を逃れる。
落とし穴を解消して、勇者たちが前進を開始する。
それに応ずるように、連合軍兵士も前進を開始した。
わが軍、アムネリア王国軍を全力で後退させ、戦車隊は後退しながら、敵の手前に榴弾を降らせる。
砲弾は無効化されても、砲弾の爆発で弾かれる石や土塊は、当たれば怪我をするし、運が悪ければ死ぬ。
それに、爆音は、馬や兵士の気力を削ぐから、全く効果が無いわけじゃない。
もっとも、勇者たちの前には、強力な防御結界も張られてるから、勇者たちには無意味そうだけどね。
そして、しんがりを戦車隊が勤めながら、ずるずると後退していった。