表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/40

嫁ぎ先が決まりました。(アリス王女視点)

「西に反乱在り、東に外敵ある国難に於いて、ユキタ男爵の武威は、王国をあまねく照らし、全てを祓った。

その抜群の功を賞し、私、アリス・アムネリア王女の名に於いて、イリヤマ公爵に陞爵す。

併せて、封地として、旧カラン大公領と、白金貨5,000枚を与える。」


一騎当千と言う言葉があります。

私、アリス・アムネリアが、イリヤマ・ハルキ公爵に初めて会い、そして、助けられた時、その言葉が浮かびました。

万夫不当と言う言葉があります。

私、アリス・アムネリアが、イリヤマ・ハルキ公爵を10倍の敵に、死地へと向かわせて、彼の、そして、彼らの兵の本当の猛威を目にした時、、、

万夫不当が、言葉の綾でなく、確たる現実として、実在するのだと初めて知りました。

彼は、初めてあった時、大尉だと言いました。

遥か西の聞いた事もないような帝国の大尉だと。

出会った時は、たった一輌の、それでも、怖ろしいほどの力を秘めた一輌でしたが、、、

その後、功に報いて、寄るべき地を与えた時、その地に、中隊、数十輌の一騎当千が集いました。

そして、反乱鎮圧の隙を突かれ、絶対絶命の、私が死を覚悟した出征で、僅か40人!!

そう、僅か5輌が見せた彼の武威は、万夫不当でした。

その後も、敗走した敵軍が、国境の城砦に籠った時も、一瞬で、城砦ごと粉砕しました。

そして、手の平を返すように、西のカラン大公の軍へ向かうと、やはり瞬く間に反乱軍を粉砕しました。

その時、彼は言いました。


「自重をしなければ、こんなもんです。」


私は、寡聞にして、彼が自重した場面を一度も見聞きした覚えがありませんが、もしかしたら、どこかで見落としていたのでしょう。

彼の武威が、王国を隅々まで照らし、戦火の足音が、王国から遠退いた時、お父様や私、大臣や将軍は、彼の処遇に悩んだ。

彼が勝ち得た武功は、正しく万夫不当。

小隊ながら、一軍、いえ、一国家に匹敵する武。

しかし、彼は小隊でなく、中隊を率いているのです。

つまり、彼の本当の武は、この何倍もあると言う事。

国を超える武。

それを購う褒美など、王家にはありません。

彼が何かを望めば、差し出すか?滅ぶか?

2択しかないのです。

だから私達は彼に王国を与える事にしました。

今回、封地として与えた旧カラン大公領は、王国西部屈指の大領地。

王国経営の練習としては、丁度良い大きさでしょう。

領地経営が軌道に乗れば、お父様は退位し、私はこの身を、イリヤマ・ハルキに与えるでしょう。

そう、彼は大公に陞爵して、私の王配として、この王国を手にするでしょう。

王家に購えないような武は、結局のところ、周囲が王家に成り代わるモノとして押し上げてしまう。

ならばこうするしかないのです。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ