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黙れ軍曹!!エルフ耳は正義だ!!(シア戦士長視点)

不思議な奴だ。

この人族達をまとめる少年は、捕らえた私を見るなり、聞くも汚らわしい台詞を浴びせてきた。

しかし、何故かその目は、好色に濁ってはいない。

それどころか、睨み返すと怯んでいた。

エルフが、人族より容姿に優れており、虜囚となれば、色々と酷い目にあうと言うのは、今に始まった訳ではない。

長命であるが、繁殖力に難のあるエルフは、人のように死に急ぐような生き方をすると、すぐに種が絶えてしまう。

その為、エルフは、森から出ず、なるべく他の種と関わりを持たずに生活しているが、それでもこの世界で、種と種が、激しく生存競争の凌ぎを削っている以上、捕らえられるエルフもそれなりに居る。

しかし、エルフは長命だ。

どのような環境でも、生きてさえいれば、何れ機会がやってくる。

その為の武器として、エルフの容姿は活きてくる。

まぁ~短命な人種では、長命であると言う事。

その本質的な意味を決して理解は出来ない。

ただ一つの理を、100年、200年と追い続ける事が出来ると言う意味を100年も生きられない種に、判る筈もない。

そんな人の子に捕らえられた以上、まぁ~何十年かは、逃げられぬかとも、又、好色なら、案外早く自由になるかもと、色々、考えが錯綜して居た所で、一族の者が、軍使を派遣してきたと言う。

で、何を考えているのか?

この少年は、捕らえられている我々の所で、軍使と会見を始めた。

今回の騒動が、エルフが昔から住んで居る森に、草原の種たる人族が、踏み入って来たから始まったのだと一族の者が主張すると、少年は凄く驚いていた。

と言うか、反射的に謝罪していたのは、何なんだろう?

その後、エルフと人族が、旧来の境界線、森と草原の境界を尊重すると言う事は、すんなりと纏まった。

と言うか、少年は勝者としての主張を全くせず、一族の者の主張を全部受け入れたのだから、纏まらない筈も無い。

その後、捕虜たる我々の開放とその条件に移ったのだが、そこで、少年は今回の戦費を賠償に求めた。

で、その額が、

白金貨 6,190枚!!

払える訳ないだろう~

しかし、我々の戦果である、ティーガーとか言うらしいマジックアイテムの乗り物が、白金貨5,000枚の価値が有ったと言う。

確かに、マジックアイテムは飛び抜けて高価な品物だし、戦闘で有用なモノは、武器にしろ、防具にしろ、補助アイテムにしろ、特に高い。

攻防が揃った複合のマジックアイテムなら、それくらいするのかも。

しかし、人口800程の我々の一族では、一族全てが、相応に負担しても、一家族辺りの負担が3年分の収入を超えてしまうだろう。

分割で払うにしろ、利子だけで負担の限界を超える。

この時点で、私は、今すぐの開放を諦めた。

境界の確認と和平そのものには、賠償金は絡んでいない。

ならば、上級魔法の使い手4人を失う痛手は一族にとって大きいが、それでも一族にとって負担は少なかろう。

私は、その様に決断し、少年に告げようとしたところ、少年は、真っ青になっている一族の軍使に向かって言った。


「え、やっぱり高いよね?

白金貨6,000枚。

うん、僕も無理だと思う。

じゃぁ~代わりにモフって良い?

捕まえたお姉さん、シアさんだっけ?

お姉さんの耳触らせて!!

それでチャラにするから。」


この耳に、一族3年分の価値があるのか?

良く判らん価値観だ。

しかし、その直後、少年の後ろに控えていた男が、


「え」


と言ったところで、後ろに振り向き、鋭い眼光で、男を射殺さんばかりに睨んで、黙らせたところを見ると、ふぬけた奴ではないのだろうが、何を考えているのか、、、

その時、カタカタと奴の乗っていた魔導兵器の武器が、男を指向していたのは気のせいだったろうか?

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