クーリングオフを切に願う出来事。
うん、美人だ。
淡い金色の長い編んだ髪に、銀の布地のリボンを結んでいる。
エルフの娘、シア・アスナ。
異世界で戦車を初めて撃破した。
とても、そうは見えんけど。
緑に染めた皮鎧の胴の部分には、装飾のような魔法陣のようなそんな模様がある。
捕らえた時から、僕を強い眼差しで睨んでいる。
正直、ちょっと怖い。
ゲームのシステムを、僕のスキル代わりに取り込んだからか?
殺しってのには、意外なほど耐性が付いた気がする僕だけど、美人が自分をじっと睨んでくるのは、別らしい。
転生?転移?前の僕は、ちょっとミリオタに足を踏み込んでいたけど、あくまで踏み込んでいただけで、ごく普通の高校生だった。
まぁ~ゲームもラノベも好きだし、対人スキルも豊富とまでは言えないけど、彼女いない歴=年齢、、、ではない。
本当だよ。
少なくとも、最近まで、付き合っていた彼女は居た。
まぁ~付き合って居ただけで、あんまり進展なかったけど。
学校では、同じクラスで、ちょっとかわいい感じの、元々気が合うっていうか、良く話していた。
で、バレンタインで、彼女から告られて、春休みとかは結構、デートしていた。
っていっても、あまり小遣い持ってないし、一緒に勉強したりとか、映画館行ったりとか、そんな感じだけどね。
でも、進級して、クラスが別々になって、GW辺りには、なんか違和感感じてたら、夏には別れてたね。
何で?って聞くなよ。
それが判れば、別れてない!!
まぁ~別れ際に一つだけ判った事は、思いってのは、言葉にしないと判らないってことだね。
今更、遅いけど。
あっ、そんな事はどうでも良い。
それよりも、このエルフの美人さん。
色々話しかけても、睨んでくるだけで、言葉返してくれないんですけど。
普通、エルフで、美人さんで、敵に捕まったと言えば、あるでしょ?
大切な言葉が、、、、
そう!!
くっコロさんが聞きたいのですが、え、ダメ?
と言うか、それが聞きたくて、ガラでもなく、下衆い事言ってたら、狩人とか、木こりの領民の皆さんがドン引きしてました。
皆さんも気を付けましょう。
どこかの某不動産王で、大統領候補のように、女の敵ってレッテル張られると、僕も、貴族就任早々、身の破滅なんて事に成るかもしれないよね。
他の捕まえたエルフさんも、有益な情報を全然漏らしてくれないので、どうしようかな~って悩んでいたら、森から白旗掲げた軍使がやってきました。
どうやら、和睦をしたいらしい。
因みに、うちの軍曹さんは、僕が下衆い発言してたら、厳つい体格と顔で、
「えっちなのはいけないと思います。」
と、真顔で言ってくださいました。
その瞬間、意識がオストヴィントへ飛んで、空に主砲を8連射したのは、僕は悪くないと思う。