NAISEIの武器は、知識でなく戦車でした。
ユキタ領にある小さな町、所謂、領都ユキタは、城壁も無ければ立派なお城も無い。
ただぐるっと木柵で町を囲んで、周囲に、2m程の幅の空堀を巡らし、木製の門砦と、木造2階建ての領主館があるだけだ。
領主館と言っても、食堂兼大広間と、部屋が10か12程、小さくは無いけど、館なんて立派なものじゃない。
ただの大きな家だった。
到着後、まず始めたのが、兵舎作り。
全ての戦車や飛行機を呼び寄せると、兵や整備士で、200人程の寝床を用意する必要があるらしい。
町の中には準備できないので、領都の隣に建設し始めている。
兵士達にやらせているけど、なかなか手際が良い。
と言うか、戦車って、まじチート。
町の鍛冶屋に作らせた鉄製や木製のデカい熊手を戦車で曳かせます。
あら不思議、あっと言う間に、土に埋もれた小石が浮き上がり、町で雇った子供たちが一斉に石拾い。
次に戦車がトンボを引いて、地面を平らに均していきます。
最後は重戦車が執拗に踏み固めて行けば、兵舎予定地と飛行場が完成しちゃいました。
その間に、猟師と木こりが森に入り、建材に使えそうな木々を探索していきます。
見つけ次第、小さな木々を中戦車がなぎ倒し、踏みつぶし、小川や草むらを踏み越えて、建材までの道を切り開きます。
建材に辿り着く頃には、木こりが木を切り倒しています。
そして、倒れた木材を軽戦車が曳いて運搬します。
残念ながら、運搬後は、時間が掛かるので、一先ず終了です。
生木をそのまま建材に使うのは無理だと言う事で、半年から1年は乾燥させるそうです。
僅か数週間で、千本以上の建材が切り出されました。
環境破壊、大丈夫でしょうか?
どんどん森の奥地に入り込んでいる建材捜索隊は、ある日、エルフと武力衝突しました。
領都で、読み書きの勉強をしてる最中に、突然、頭の中で、ピーンと言う音が響き、ミッションの説明画面が立ち上がった。
喜べ!!
エルフに遭遇した。
友軍はすでに交戦している。
しかし、周りを敵に囲まれ、厳しい状態だ。
すぐに救援隊を組織し、救出せよ。
僕はすぐにオストヴィントへ乗車し、現場へ急行した。
戦車の車体にある銃座は、正面への対処しか出来ないし、射角も狭い。
だから、四方八方を敵でに囲まれると、砲塔上の対空機銃で対処しなきゃならん。
問題は、ミッション時の戦闘では、僕が同乗してない戦車は、途端に兵が新兵以下になると言う事だ。
エルフで思い浮かぶのは、魔法と弓矢。
随伴歩兵が居ない状態で、新兵が森林戦なんて、悪い冗談にしか聞こえない。
急がなければ。