君の名は。
論功行賞後、勲章のご利益か?
僕一人だけ、国王様や重臣の方々に囲まれて、御前会議って奴に参加させられました。
で、何を話したかと言うと、謀反を起こしたカラン大公の捕縛に失敗、彼らは国元へ落ち延びて行ったとの事。
カラン大公を王城内へ引き入れようとしたミュア子爵夫人一党は王城で孤立し捉えられたそうです。
謀反の他にも。今回の王女様への盗賊の襲撃に関連し、王弟には、暗殺未遂容疑も掛けられたとの事。
周辺の諸侯、騎士を王都に集め、追討軍を編成するそうです。
しかし、僕は、戦功を稼ぎ過ぎてるのでお留守番らしい。
領地の引継ぎ等で、暫く軍役は課されないそうです。
で、領地までの案内役と、その後の補佐役に執事を頂きました。
「男爵様、領地経営の補佐役を命じられました。
ゼパス・ダンと申します。
よろしくお願いします。」
僕は満面の笑みで、
「うん、よろしくお願いします。
セバスチャン。」
「いえ、ゼパス・ダンです。」
「よろしくお願いします。
セバスチャン。」
「いえ、ゼ」
「よろしくお願いします。
セバスチャン。」
「ゼ」
「お願いします。
セバスチャン。」
「はっ、セバスチャン、誠心誠意、勤めさせて頂きます。」
勝った!!
世の中には退いてはいけない戦いがあるのです。
で、領地へ向かう道すがら、ユキタ男爵領の概要をセバスチャンより聞いていた。
そう言えば、こちらは苗字が後に来るらしい。
ただし、異世界語は、全て翻訳されて話すし、聞くしって感じで、こちらが、イリヤマ・ハルキと名乗ろうが、ハルキ・イリヤマと名乗ろうが、同じに聞こえるらしい。
で、貴族になって変てこな名乗りになったみたいだけど、僕が聞くと、聖騎士ユキタ男爵イリヤマ・ハルキって聞こえる。
聖騎士って何よ?
あ、そんな黒歴史に繋がりそうな事はどうでも良いや。
そのユキタ男爵領。
人口が、多分3,000人前後だろうとの事。
人口500人程の小さな町が一つ。
大きな地主が6軒。
地主は奴隷を使用して大規模農業を経営してるけど、奴隷の数は判らないらしい。
で、小さな農地を営む農民が300軒ほど。
地主6軒、農民300軒で7つの村を構成してるらしい。
地主は騎士階級の人で、1軒に付き、騎士1人、従士3人従軍させてくれるけど、税金は払わないらしい。
農民は、農地の広さに応じて、小麦を物納、又は銀貨で銭納らしい。
この収入が領地の税収の4割くらいを占める。
町の人は、市民税として人頭税を支払っている。
これが税収の2割くらい。
商人は、店の規模毎に、地代を納め、これが税収の2割くらい。
領内を通る行商人に荷の2%を関税。
猟師からも狩猟税。
その他、細かい税金諸々から、10分の1税を国教たる聖教会に貢納、10分の2税を、王家に貢納。
残った額から諸経費を引くと、僕の給料500PPになるらしい。
僕の場合、王家からは、年金で、貢納分が丸々返ってきてる感じかな?
で、内政しようと思いました。
でも、速攻で無理でした。
領地へ辿り着くまでもありません。
だって国法判りません。
書類読めません。
言葉は話せても、字は読めない、書けない。
テンプレですね。
ノーフォークとか、異世界物の小説を愛読してるので、言葉は知ってるんですが、細かく判りません。
先ず、読み書き出来るようになってから頑張ります。