親衛隊って、作業着の戦闘搭乗服までカッコいいのは、何ででしょうかね?(アリス王女視点)
説明が長すぎて、前に進まない。
でも世界観を確定させないと、前が何処だかわからない。
お話を書くって難しいですね。
あの方、イリヤマ・ハルキさまと言いましたね。
先ほどの夕食の時には、お声がこちらの天幕まで届いて、大変賑やかで陽気の方ですわね。
騎士ハリファは、紙を使い捨てる事に驚いていたようですけど、イリヤマさまの衣装をを見れば、一目瞭然でないでは無いですか?
殿方には判らないのかしら?
緑掛かったグレーの上衣は、羅紗ですわ。
礼服を仕立てるなら、羅紗織も判りますけど、普段着で羅紗なんて来たらあっと言う間に、埃まみれです。
そして、肩や腕、襟に金糸や銀糸で刺しゅう、襟の縁取りは、銀糸でパイピングしてありましたわ。
普段着だから折れ襟で、スカーフをしてないのでしょうけど、襟元から覗いているシャツは白色ですわ。
どれだけお金を掛けているんでしょうか?
王族ですら、白い衣装なんて着ませんわ。
王都に着いたら、報酬を与えますなんて約束しましたけど、喜ぶでしょうか?
王家より遥かにお金持ちのような気がしますけど。。。
しかし、王国の大動脈ヤクス公路で、100人を超える盗賊が出るなんて、あり得るのでしょうか?
森に隠れ潜むなら判りますが、湿原に身を伏せ、この辺りの街道沿いで一番見晴らしの良い、つまり、王国南部から王都へ向かうなら誰もが休息する場所と言えるのもだけど、その様な場所を襲うなんて、まるで、ならず者でなく、兵隊のよう。。。
そう私が王都へ帰るのを知っていて、それでいて、帰りを望まぬ者の仕業のような・・・
まぁ~心当たりが多すぎて、結局誰の仕業か判らないところが悩みですけど、、、
まず第一に、王国西部の盟主、カラン大公イストバン叔父様と取り巻きの皆様。
次に、東の隣国、カルッタ王国へ嫁がれたお姉さま、イザベラ妃殿下と隣国の方々。
他にも、生まれたばかりの私の継弟クリスの母、ミュア子爵夫人とご実家の皆様。
生まれた時から周囲が敵ばかりと言うのは、貴族、王族に生まれれば仕方が無い事ですけど、王であるチャールズ1世陛下のご不予と言うだけで、命を狙われるとしたら、随分、世知辛い世の中です。
お金で購えるとは思えませんが、100の盗賊を一瞬で蹴散らせる方々は、どうしても王都に引き留めたいです。
味方である必要は、絶対とは思わないですけど、敵になられると私と王都の皆さんが大変な事になるのは明らかですわ。
責任者のイリヤマ様は、あっ、家名が先に来ると言うのも、不思議な名前ですわね。
そのイリヤマ様は、こう言っては何ですけど、随分、易しい方に見えます。
無力な婦女子が困っていたら、狡猾になるのでなく、命を懸けて守ってくださるような。。。
ですから、殊更、利をもって接するのでなく、率直に、困り事を打ち明ける方が良いかもしれません。
しかし、それもこれも、お父様が元気になって、次代への引継ぎを確りしてくだされば、全くの気苦労。
この年で、お父様の快癒を願うよりも前に、自らの身や慕ってくれる者の安全を先んじると言うのは、親不孝と言うか、何と言うか、本当に貴人と言うのは不毛ですわ。