表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/40

騎士隊長殿は、火を初めて見たのでしょうか?

王女一行に同行して、一路、王都を目指すのだが、判った事が一つある。

この時代の移動とは途轍もなく遅いのである。

オストヴィントは最高速が時速42キロ、不整地ならガクンっとスピードが落ちるとは言え、地肌丸出しの街道上なら、時速40キロ近くは出る。

しかし、しかし、しか~し。

聞いた所によると、彼ら一行は、一日掛けて40キロを移動するのである。

朝だいたい5~6時頃(夜明け)から朝食を食べ始め、荷物をまとめて、足りないものを買い集め、7時頃には、野営地又は宿場町を出発する。

馬が疲れないよう、比較的ゆっくりと、時速4~5キロくらい、早くても6キロくらいで進む。

スピードが違うのは、休憩する場所が大体決まっているからだ。

特に、その日の終わりに到着すべき野営地や宿場町は、等間隔にある訳ではないし、目指す先に傾斜がある事も少なくない。

だから、4時間移動して、1時間ほど馬を休ませ、昼食を軽く摘まんで、又、4時間ほど移動する。

野営地なら日が沈む前に、水場のある場所に辿り着き、天幕や自炊道具の準備をしなければならい。

日が暮れてからだと、手間は倍増どころか、10倍増、100倍増って感じで、更に、無駄に魔獣や獣の危険も増える事から、帳尻合わせに、スピードを上げる。

それが、時速6キロメートルらしい。

普通は、夜の間しっかり休んだ馬は、元気よく、それでいて疲れない速度、時速5キロ超で走り出し、時間が経つにつれ徐々に鈍くなり、馬速を回復させる為に休憩させる。

ここ重要。

我々が昼食を食べる為に休憩する訳ではない。

だから、元々昼食をとる習慣が曖昧な彼らは、食べない時もある。

で、、、、

何が言いたいかと言うと、


現代社会で過ごしてきた僕としては、気が狂うほどストレスが溜まるのです。

うん、ホントに。

悪夢です。

感覚を戦車に向ければ、戦車自身が僕です。

で、永遠、ノロノロ、ノロノロ。

時速5キロって、上り坂でも結構勾配きつくなければ、そこまで落ちません。

実際の戦車の機動力は知らないけどね、ゲームの感覚をそのままで移動してるから、そうなるんです。

最初は、同行と言う事で、馬車の横を並走しようと努力しました。

1時間で退屈になり、2時間目で、イライラが募り、3時間目で、空吹かし急発進、急ブレーキを繰り返し、4時間目に、隊長さんが野営地への到着を告げた時は、銃口が馬車と騎馬隊に向いていました。

真っ青な隊長さんに、いや、その先に真っ白なウサギが見えたので、つい、砲塔に付いている遠くを見る魔導具で、ウサギを見ていたら、そちらを見ていましたと誤魔化したけど、、、ちゃんと誤魔化せたよね?

次からは、戦車から意識を外し、戦車の操縦は、運転手に任せようかな?

このままでは、ストレスで、とんでもない事が起きる気がする。

その後、野営と言う事で、車体後部に乗せているテントや何やらを準備し、アイントプフの缶詰や塩パン、ビールを取り出す。

うちの兵士共は手慣れた様子で、缶詰の上蓋を、野戦用食器のケースを兼ねている缶切りで開けている。

で、軍用オイルライターで、紙に火をつけ、燃えやすそうな枯草から小枝へと順に火を大きくしていく。

と、気が付いたら、目を見開いて、じっと火を見つめている騎士隊長殿が居た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ