〇ウルの動く城は、ドイツ戦車の最終形態です。(騎士隊長視点)
西にあるドイツ帝国?
聞いた事はない国だが、第3と言うからにはそれなりに由緒ある国なのだろうか?
まぁ~素直に所属を延べてるし、姫様の王都への同行要請に、快く承諾したところを見ると、こちらに害意は無いように見える。
異様過ぎて、間諜などの類には成りようもないし。
それに、害意が有れば、盗賊を一瞬にして駆逐した実力から見てても足も出ないが。。。
階級を大尉と言っていた。
あの強力な鉄で出来た馬無し戦車が傭兵の持ち物とは到底思えんし、領軍(諸侯軍)がアーティファクトみたいな金食い虫を抱えるとも思えんから帝国の実験部隊と言う位置づけか?
師団と言うほど、あの馬無しが沢山あるとは思いたくないが、彼はその中隊長(大尉相当)と言う所だろう。
かなり遠くのでらしいから、実験がてら傭兵に来てるのかも知れぬが、今まで噂でも全く聞かないという所が奇怪だ。
何か理由があるかもしれんが。
それに治療をしてくれた者の階級は、軍曹と言っていた。
軍曹と言えば、軍でいえば小隊長、若しくは新米中隊長の意目付け役。
随分若いと言うか、幼い大尉に同行してるところを見ると、貴族の若様の補佐役と言う所か?
国元から付いて来てるなら、身分で言うと歴戦の従士か。。。
確かに、軍人の風格が全く無い大尉殿に比べて、随分とまぁ~隙が無い兵士だな。
その割に、大尉には歴とした忠誠やら敬意があるらしい。
普通、おもりの対象に好意は寄せても、実績や実力がなきゃ、下士官や兵は、そんな目をしないもんだが。
なんにせよ、下手に出て正解だ。
姫様はお優しいから、元々、恩がある方に上から話す方ではないが、彼(大尉)は、見た目のように、ただの子爵か伯爵の公子ってだけじゃないだろう。
絶対何かがある。
部下の目がそう語ってるからな。
私の部下にも、敬意をもって接すよう徹底させねば。
しかし、あの戦車と言うアーティファクトは凄い。
多分、幾つかの魔導具の複合品だな。
鉄の塊を動かすのは、ゴーレム技術の派生形だろう。
些か以上に、素早過ぎる気がしないでもないが、あの歯車と鉄の帯(履帯)の複雑な造形で、本来、鈍重なはずのアイアンゴーレムに、機動力を与えているのだろう。
代わりに、あの部分は、幾分破壊し易そうに見える。
明らかに弱点だな。
しかし、チャリオット(戦車)か。。。
馬で引くチャリオットは、結局のところ、兵士を載せた馬車に過ぎん。
騎馬なら不整地でも行けるが、戦車では直進しか出来ぬから、鐙や鞍が使用され、馬上での自由度が増えるにしたがって、廃れた。
しかし、想像するに、彼らの言う西方とやらは、廃れる前に、魔導具と大きく結びついたらしい。
馬で引く戦車を、ゴーレムに変える事によって、軽く軽防備の戦車が、鈍重で重厚な鎧を着た戦車に変化したに違いない。
しかも、時間の経過に従い、ゴーレムがより洗練され、機動性が上がったという感じか?
で、重量物を運べると言う事で、ゴーレムの上に矢盾を並べたのが、あの櫓の始まりか?
あれは、強力な土魔法か、火魔法の魔導具、若しくは、雷の音がしていたらから、上位魔法の雷魔法の魔導具を載せていたかもしれんが、ゴーレム部分さえあれば、他にも、弓兵や弩兵、魔導士や、投石器も載るだろう。
移動する小さな砦と思えば、素早くなくとも、使い道は幾らでもありそうだ。
まぁ、実際に抱えると、金も幾らでも掛かりそうだが、、、
そういえば、遠くの国で、偉大な魔法使いが、動く城に住んで居るという噂を聞いたが、関連があるのかも知れんな。(無いです。すみません。)




