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ネフィリムヒストリー  作者: 富谷鹿遊
第一章 出会い、旅立ち、そして歴史は動きだす
4/8

旅の基本は、目的、行動、そして覚悟だ!

こんちは、富谷鹿遊です。

四羽目ですね。

ウサギは一羽二羽と数えるそうですね。

ああ、おいしいお肉が食べたーい!

リタ・ミルキーウェイは、ひんやりとした空気と小鳥のさえずりによって目を覚ました。

「ん…、あれ?私…」

まだ、覚醒しきっていないようで辺りを見回す。

そこには当然のように昨日と何一つ変わらない瓦礫の山があるばかりだった。

しかし、朝の空気のおかげか、昨日ほど埃っぽい感じはしない。

「ああ…、そっか…」

(私、バルヘイムに来ちゃったんだっけ)

(夢かと思ったのに…。今度イザベラにあったらどんな仕返しをしてやろうかしら)

(そんなことより、私はヘレンに帰れるのかな…)

(今頃みんなどうしてるんだろ。きっと、サニーはすごく心配してるんだろうな。そういえば、魚屋のおっちゃんにも謝りにいってないなぁ)

はぁ、と小さなため息をつくリタ。


ーーー天空都市ヘレン


リタのクラスは、ざわついていた。

それもそのはずである、今まで一度たりとも遅刻をしなかったリタが出欠の時間になっても登校してこなかったからだ。

クラスの中では、イザベラにしてやられたのよ。いやいや、きっと寝坊だ。もしかしたら事件に巻きこまれたんじゃ。などと噂話で持ち切りである。

「リタ、どうしたんだろー?大丈夫かなー?」

普段からあまり危機感を感じないサニーは、のほほんとクラスメイトに混じって遅刻理由について議論していた。

「そういえば、今日はイザベラとアイシアもまだきてないな。まぁ、彼女達がサボるのは特に珍しくないか」

生真面目なカリムが言ったその言葉に、サニーは昨日の昼休みのやり取りを思い出した。

(もしかして、昨日の放課後なにかあったんじゃ…)

急に不安になり、嫌な想像ばかりが頭をよぎった。

サニーの不安を煽るように、教室の扉が開き教師が入ってきた。

「皆さん、席についてー。大事なお話があります。さぁ、早く早く」

いつもの気だるげな感じがなく、少し緊張した空気を感じた生徒たちはさっさと自分の席についた。

「さて、みんなも気づいていると思うが、イザベラとアイシア、それとリタが学校に来ていない」

教師の真剣な声に生徒たちは耳を傾ける。

「黙っていても、いずれ知れ渡ることになるだろうから、先に言っておくが…」

サニーは自分の鼓動が早くなるのを感じた。

「三人は、バルヘイムに堕ちてしまったらしい。今後、調査部隊を派遣する手はずになっているが、もしかしたら二度と会うことができないかもしれない」

教師の言葉にサニーは耳を疑った。

教室の中もざわめく。

ーーーウソだろ?大罪じゃないか。

ーーーそんな、リタ、いい子だったのに。

(ウソよ…、そんな、もう二度と会えないなんて…。どうして…)

あまりにショッキングな事実にサニーは、とても混乱していた。

そんなサニーの事などお構いなしに、教師は連絡事項を続けた。

「何らかの事件や事故に巻き込まれた可能性もある。しかし、みんなも知ってのとおり我々天使は、バルヘイムにはいってはいけない掟だ。みんな、思うことがあるだろうけど、ゆっくり整理して欲しい」

「どうしてそんなことになったのか、理由がわからないと整理のしようもないぜ」

ダリルが複雑な表情をしながら呟いた。

「今後その調査を進めるつもりだ。どうも書庫に転移魔法の形跡があったようだし、原因がつかめるのも時間の問題だろう」

(だとしても…、バルヘイムに行っちゃったんじゃどうしようもないじゃない…)

サニーの顔色が土気色になっていた。

「!サニー、大丈夫か!?サニー!?」

教師の言葉と共に、サニーは机から崩れ落ち、気を失ってしまった。


ーーー魔王城跡地

ゴリラとローランドも目を覚まし、昨夜の残りのシチューを朝食として食べていた。

「うーむ…。肉がないとやはり食べ応えがないな…」

新しいワイシャツを着たローランドが、スプーンを口に運びながら言った。

まだ起きたばかりで本調子ではないのか、動きは非常にのっそりとしている。

「はぁ?わざわざお肉なんて入れなくていいじゃない!あんなの健康食品でしょ!?」

ローランドとゴリラは驚いた。

肉が、健康食品?

「おい、天使よ、なぜ肉が健康食品なのだ?」

ローランドもゴリラも興味津々である。

そして、ゴリラは自分のおかわりを皿によそった。

「天使って呼ぶのやめてくれる?私にはリタ・ミルキーウェイって名前があるんだから」

「そんなことはどうでもいい、我輩が知りたいのは、なぜ肉が健康食品なのかだ」

「貴方、すごく腹立つ人ね!ふん、お肉なんて、パサパサしてて匂いも独特じゃない!あんなの好き好んで食べるのは、筋トレマニアか偏食かくらいよ」

言い終わると、リタはシチューを頬張った。

同時に、ゴリラは自分のおかわりを皿によそった。

「パサパサしているだと?いったい何の肉なのだそれは」

「ヘレンには、動物は鳥しかいないわ」

「なるほどな。しかも、はるか上空まで飛ぶような鳥だ、筋肉質すぎるのだろう」

ローランドはスプーンを口に運んだ。

ひっそりと、ゴリラは自分のおかわりを皿によそった。

「バルヘイムのお肉は、違うの?」

「ああ、おそらくな、地上の肉はジューシーで柔らかいぞ」

ゴリラが鍋の中身をごくごくと飲み始めた。

「そうなの?うーん、でもやっぱり抵抗があるわぁ」

「ま、これから先いつでも食べるチャンスは来るだろうから、焦る必要はなかろう」

ローランドの言葉にリタの表情が暗くなる。

昨日は、熱くなりすぎて失念していたが、仮にも女性に対して、悲しませるようなことを言ってしまいローランドはなんだかやるせない気持ちになった。

「ま、まぁほら、とりあえず飯を食うといい、今後の事はその後考えればよかろう?」

そういってローランドは鍋に手を伸ばすが、そこには空っぽの鍋が横たわっているだけだった。

「…おい、ゴリラよ」

ゴリラは、爪楊枝で歯に挟まった人参の繊維を懸命に取ろうとしている。

「なんでやんしょ?」

「…なぜ、鍋はあるのにシチューがないのだ?」

「あー、それは、あれでやんす。ほら、ここは魔王城でやんしょ?もーこれは、なにがおこってもおかしくない!というかなんといかでやんして」

「そんな穴だらけの言い訳が通用すると思うな馬鹿者がーーーーーーー!!!」

ローランドの咆哮が轟く。

「ごめんなさいでやんす!!」

「ゆるさん!我輩はまだ一杯しか食べとらんのだぞ!いっぱい食べたかったのに!!」

「うわー…」

リタが呆れる。

「坊ちゃん…。坊ちゃんのギャグセンスは魔王クラスでやんすね…」

「う、うるさいわ!覚悟しろ!!」

「うほほほほほほほ!」

ローランドが魔法を発動し、ゴリラが全てかわす。

「…、ふふ!」

あまりのくだらなさに、リタは思わず、笑みをこぼした。




「さーて、それでは、今後の方針を決めようと思う」

ローランドがゴリラとリタの顔を交互に見ながら言う。

「まずは、天し…」

「リタ!」

リタがローランドを睨む。

「お、おほん、リタは我々の旅に同行するということでいいな?」

リタの迫力に負け、ローランドは思わず言い直してしまった。

「そうね、現状、私だけじゃどうしようもないし、呪いのこともあるから同行させてもらうわ」

リタが頷く。

「ところで、貴方達はどうして旅をしているの?」

「ふふふ、良い質問だ」

ローランドは不敵な笑みを浮かべながらゆっくりと立ち上がった。

ゴリラがリタに目で合図するが、リタはきょとんとしていた。

「我輩は、次代の魔王になるべく旅をしているのだーーーー!!」

あいかわらずの、大音量である。

リタは目をぱちくりさせながらローランドに言った。

「うるさ!!ま、魔王?そういえば昨日も魔王の玉座がなんとかって…。どうしてそんな物になりたいのよ?」

「そんなものとはなんだ!?いいか、先代の魔王はな、弱き人々には手を出さず悪しき者共を倒す。そんな人物だったのだ!」

「へー、なのに魔王だなんて呼ばれているのね?」

リタは、頭上にハテナマークを出していた。

「当然だ、魔王の行いは、いわば革命だからな。だが、革命家と呼ぶにはあまり思想がなかったようだがな」

「ただ単に、王国を乗っ取るつもりだったんでやんすよね。でも、人々に危害は与えないし、むしろ恩恵を受けるところもあったみたいで、魔王をヒーロー視している地域も多いでやんす」

ゴリラの補足説明を受け、リタはふと疑問に思った。

「うーん、魔王の恩恵ってどんなものなの?」

リタの疑問に、ローランドは嬉しそうに答えた。

「例えば、造船などの技術を伝えたり、農作の効率の良いやり方を教えたりだな。基本的に生活を豊かにする方法が多かったらしいぞ。それに、万の軍勢を従え、鉄の巨人やワイバーンなどを使役したと聞く」

「国王軍が戦闘に勝ったことは、一度もないらしいでやんす」

「ふーん、そうなんだ。でも、そんな技術や知識を持った人が、どうして急にあらわれたのかしら?今までどこにいたの?」

ローランドが顔をしかめる。

「魔王の素性については全くわかってはいない。常に黒いフードをかぶっていたし、マントを羽織って肌は一切見せなかったそうだ。だが、噂では女なのではないかといわれているぞ」

「どうして?」

「胸元が膨らんでいたそうだ。」

リタが自分の胸を見る。

(マント越しでもわかるような胸ってどんなのよ!?)

リタが固まったことに気づきローランドは、フォローをしようとした。

「ま、まぁ気にするでない。胸の大きさなど十人十色、みんな違ってみんないい、だ!」

一瞬、何を言われているのかよくわかっていなかったリタだが、理解した途端マグマのように顔を赤面させた。

「ななな、なに変なこと言ってるのよ!?ぶっ殺すわよ!?」

「んな!せっかく人がフォローしてやったのになんだその言いぐさは!」

「全然フォローになってないわよ!!」

「全然フォローになってないでやんす、坊ちゃん。」

二人に責められ、ローランドは少し拗ねたように言った。

「ええい、フォローできたかできなかったかなんぞどうでもよいわ!とにかく、次の目的地を決めるぞ!」

「そういえば、旅の目的はわかったけど、これからどうするのよ?」

「ふふん、我々は今、魔王ゆかりの地を巡っているのだ!」

「魔王ゆかりの地?」

「そうでやんす。東の平原。西の湖。北の雪山。南の火山でやんす」

「その通りだ!そして、各地には魔王が作ったとされる建造物がある!そこに、魔王の力の秘密があると睨んだのだ!」

「そうなの。それで次はどこへ向かうの?」

「北の、雪山だ!」

「どうして?」

「南には、行きたくないからだ!!」

「どうしてよ?」

リタが当然の疑問を投げかけた。

「ええい、そんなことはどうでもよかろう!気分だ!気分!」

そういうとローランドはさっさと荷物をまとめだした。

リタが腑に落ちない表情でいると、ゴリラが耳元でささやいてきた。

「南には今頃、坊ちゃんのお父様がいるでやんすよ」

「え、そんな理由なの?」

「坊ちゃんにとっては、旅の原因になった人物でやんすから」

そうなんだ、とリタは一様は納得した。

(魔王になる旅の原因て、一体何なんだろう?)

「おい!何をぼさっとしておる!支度を手伝わんか!」

「あ、ごめんなさーい!」

ローランドに催され、旅支度を手伝い始めるリタ。

(ま、いっか、考えても仕方がないし。私はただ、なるようになるしかないんだから。)

リタが思考を切り替えた時、ひゅぅと、爽やかな風が吹いた。



こんちは、富谷鹿遊ッス!

四話目、読了お疲れッス!

今回は、旅の目的とか今後の行先とかの説明ッス!

魔法とか世界観とか説明しなくちゃいけないので、なかなかローランド達を動かせないッス!

次回は戦闘とかかけたらいいな、新キャラ出したいなと思ってるッス!

実はこの後書き書くのが一番面白いッス!

R15なのはほぼ、後書きのせいッス!

ちんちんッス!

本文に下ネタはほぼ入れないつもりッス!

だからここに書くッス!

ちんちんッス!

正直、何が面白いのかわかんないッス!

ちんちんッス!

でも、まぁ読んでくれたらうれしいッス!

ぶらぶらッス!

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