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Catch The Future   作者:
22/90

第21話 体育祭午前の部

「と言うわけで優勝者は2年の松宮 健太選手でしたー!!!」


「ハァ………。ハァ………。」


ラスト2kmで追い付いてそのままカウンターアタックで引き離そうとしたけど、なかなか引き離せなくて同時にトラックに入った。


オフシーズンで走りに走り抜いたスタミナで、ラスト400で差をつけてそのままゴール。


「松宮選手!何か一言ありませんか!?」


「やってやったぜこんちくしょー!!!!」






競技開始前の服装に着替えた後、クラスの控え場に戻ったあとぶっ倒れるようにブルーシートに寝っ転がった。


「健太くんお疲れさまっ♪」


隣のクラスである菜々がズルズルとやってきた。


菜々のクラスシャツは赤か…。


あとシャツの下にアンダーを着ている。


「マジで疲れた…。」


「何だがグランツールに出るような人みたいでかっこよかったよ!!」


「お、おう…。そうか。」


無邪気に笑う菜々の顔がまともにみれねぇ。


「菜々は何に出るんだ?」


「わたし?フィールド競技のモンスターボックスと室内競技のスラムダンクコンテストだよ?」


スラムダンクコンテストってNBAかよっ!?


しかも菜々もモンスターボックスに出るのかよっ!?


「あ!そろそろモンスターボックスの収集時間だ!わたしそろそろ行くね………って健太くん何やってんの?」


「ん?オレもモンスターボックス男子の部に出るからさ。」






モンスターボックス。


筋肉自慢の芸能人やスポーツ選手がそれぞれNo.1を決めるテレビ番組を見たことある人なら分かるだろうが、分からない人のために簡単に説明しよう。


跳び箱っちゃ跳び箱なんだけど、普通の跳び箱と違うのは助走距離が25メートルと決められていることと段違いで高さが違うところだ。


今は女子の部だ。


菜々と彩菜の一騎打ちとなっているが………、


「ハァッ!!!」


ロイター板を壊れんばかりに踏み切った彩菜が16段のモンスターボックスを最上段にジャンプしたと思ったら何処からか飛んできたバスケットボールをキャッチしたと思ったら目の前にあったゴールに落下しつつダブルクラッチでゴールネットを揺らしていた。



………なんだこれ。



「やぁっ!!!」


今度は菜々がジャンプして飛び越えたと思ったら、月面宙返り通称ムーンサルトで降りてきた。


………いやマジでなんなのこいつらの身体能力。




女子の部は菜々が大台の18台を飛んだことで彩菜はギブアップとなり、菜々が優勝した。


男子の部も何かパフォーマンスしなきゃいけない空気になってしまっている。


その時のオレは何を考えていたのか、ボールを投げたあとに跳躍してマットに着地したあとに投げたボールをキャッチするという暴挙に出た。


けど難しすぎてやめた。


結果?優勝とはいかなかったけど、4位に食い込むことができた。





そして午前中ラストの種目であるうちの体育祭至上最高に訳が分からない種目である『人生の障害物レース』。


訳が分からないけど楽しそうではある。


おっ、あのポニテは…。菜々が出るのか。


『さぁ始まりました人生の障害物レース!実況はわたくし女子バスケ部2年の福島でお送りします!』


号砲と共に実況が始まった。


それにしてもこの女、ノリノリである。


『さぁてまずは1つ目の障害は両親の離婚だぁ!!』


「「「「「重いわぁぁぁぁあ!!!!」」」」」


何ていうことだ…。何ていうことだ。


後ろから走ってくる典型的なオタクの服装をした先生たちが追いかけてくるが、それをチギった。


確かにありゃ障害だ。


『2つ目の障害は受験失敗だぁぁぁあ!!』


「「「「「もうやめたげてよぉ!!!!!」」」」」


3年生中心に精神的ダメージを受けている。


連立方程式と言った計算問題等が綴られたプリントを物凄いスピードで解き終える。


『続いて婚活失敗!!』


「「「「「いやぁぁぁあ!!!」」」」」


今度は女性中心に悲鳴が上がる。


いやー…。楽しそうだなぁ。(達観)


すると菜々がポニテを揺らしてオレのところにやってきた。


「健太くん!力を貸して!」


どうやら借り物競争のようなものらしい。


「お題は?」


「これ!!!」


そこには『Mr.清峰レースのチャンピオン』と書かれていた。


「分かった!!」


オレと菜々は最終コーナーを曲がり、いよいよラストだ。



『さぁ最後は親の二の舞か!?夫婦間の仲のピンチだぁぁあ!!!』



ふとカンペのような看板を見ると、『ドロッドロの昼ドラ』と書かれていた。


はぁぁぁあ!?


もうこうなりゃ自棄だ!!!


Come on!!


「ねぇ、あなた…。」


目のハイライトが完全に消えた菜々がオレに迫ってきた。


「な………なんだ?」


なにこの子。超怖い。


「あなたのスーツからこのハンカチが出てきたのだけれど…












……だ れ の ? 」


ーーーゾクッ!!!!!


あまりもの迫力で他の競技者も止まっている。


オレも冷や汗が止まらない。


「いや………これは、その…。」


「………わたしじゃない他の女の臭いがする。」


「おい…菜々?」


「これ誰の?もしかしてわたしに黙って他の女に会っていたのね?………そんなわけないよね!?あなた!!!」


「いや、これは違うんだ………!!!」


「何が違うって言うの!?きちんとわたしの目を見て言ってよ!!あなたはわたしが愛したあなたじゃない!!!」


「話を聞いてくれッッ!!!」


「来ないでッ!!!あなたはわたしの旦那様じゃないッ!!!わたしの本当の旦那様は何処なのよッ!!!返してッ!!!返してぇぇぇえッ!!!」


「うわああああああッ!!!」




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