二人目
少女は道を歩く。道の先にはまだ何も見えない。
休むことなく、一歩一歩噛み締めるように少女は歩く。
しばらく歩くと女の人が立っていた。
女は泣いているようだった。
少女が「こんにちは」と言うと、
「こんにちは」と女も目に涙を浮かべながら、返事をした。そして、
「どこ行くの?」と聞いてきた。
「わからない」と少女。
「じゃあ私もついて行っていいかな?」
「いいよ。一緒に行こう」
二人は歩き出す。
少女は女がなぜ泣いてるのか気になった。
理由を聞こうかなとも思ったが、もっと泣くのではないかとも考え、聞くのをやめた。
しばらく歩くと女が口を開いた。
「私は捨てられたの」
「捨てられた…?」
「そう。昔ね、彼は私を置いてこの道を進んでいったの」
「なんでお姉さんはついていかなかったの?」
「わからないわ。足が途中から動かなかなくなったの…進もうと頑張ってもそこから動けなかったの。彼に向かって叫んでも振り向いてくれなかった。気づいてくれなかった…」
女はその時のことを思い出したのか、急に泣き出した。
「そこが、お姉さんの立ってた所?」女の話を聞き、少女は疑問を持った。
「どうかしら。しばらく記憶がないの。気づいたら一人であそこに立ってたの」
「そう…なんだ…」
聴いてると気持ちが重くなる。そう思った少女はもう聞こうとはしなかった。
女もその気持ちを悟ったのか、それ以上話すのをやめた。
二人は道を歩く。
どのくらい歩いたかわからないが、しばらく歩くと女が、
「ここでお別れだわ」と言った。
「どうして?」
「あの時と同じなの」
「え…?」
「足が動かないの。あなたともっと歩きたいのに」
「そんな!」そう言って少女は女の腕を引っ張るが、動かない。
大きな壁を引っ張っている。そんな感覚さえ少女には感じられた。
「ごめんね。あなたと歩いていて気持ちがスッキリしたわ」
「私もよかったよ…お姉さん、また会えるかな?」
「会えるといいわね…ううん、きっと会えるわ」
「また、合いに来るね」
「楽しみにしてるわ」
そこまで話すと、少女は前をむいて。歩き始めた。
少女は道を歩く。
視界にあるのは歩いてる道だけ。他には何もない。
もっと歩いても何も無いかもしれない。
だが少女は足を止めることなく歩き続ける。ただひたすらに歩き続ける。




