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第六章:ロジック×イメージの夜2
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健一の言葉は、たどたどしかった。だが、そこには一切の「正論」がなかった。
「麻衣。僕はもう54歳だ。正直に言えば、自分の体が衰えていくのが怖い。君を満足させられないんじゃないか、期待に応えられないんじゃないかって、情けないくらい不安になる。……でもね、僕が今日、君を抱きたいと思うのは、義務だからじゃない。その未来の光景に、君と一緒にたどり着きたいからなんだ」
暗闇の中で、麻衣が息を呑む音が聞こえた。
彼女の手が、健一の手を強く握り返した。
「……健一さん。そんなこと、思ってたの?」
「ああ。言葉にできなくて、ずっと数字の後ろに隠れていた。格好悪い男だよ、僕は」
「ううん。……嬉しい。今の言葉、すごく嬉しい」
麻衣の体から、緊張が解けていくのがわかった。
健一が提示したのは、子供を作るという「結果」ではなく、共に生きたいという「意志」の映像だった。
左脳的なロジック(なぜ子作りが必要か)を、右脳的なイメージ(どんな幸せが待っているか)で包み込んだとき、二人の間に「共有感覚」という名の橋が架かった。




