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光の悩み

放課後。近くのお店に。

ポテトをつまみながら光の話を聞く。

「それでハーレムはどうなったんだい天気予報士さん」

さっそくからかいやがった。なぜそのことを知ってる?

どうやら光は教室に来ていたらしい。いやいなかったはず……

大体奴が僕のクラスに来たことはないんじゃないか?

と言うことは教室の外にいたんだろう。あの恥ずかしいのが廊下まで?

あの時は勢いに任せたが改めて振り返れば恥ずかしい。

凄く恥ずかしい。ああ僕は何を告白してるんだよ?


声を掛ければいいのに見守るから困るんだよな。

恥ずかしいところを見られてしまった。

別にもう慣れてるがそれでもからかわれるとダメ。

耐えられない。どんどん赤くなっていく。

そんな時はいい加減なアドバイスをすることにしている。

これが僕なりの仕返しの方法だがどうせ聞かないから無意味。


「モデルはどこの人? 」

一応は興味がある。恐らく素敵な魅力あふれる人なんだろうな。

「この先を行ったところのクレープ屋のお姉さん」

また始まったよ。何がクレープ屋のお姉さんだ。ガキでもあるまいしその言い方。

どうもこいつは年上に興味があるのか興奮してる模様。

「だったら半裸でいいんじゃない。以前から書きたいと言ってたろ? 」

ヌードと言えないのが僕の情けないところ。恥ずかしがることじゃないのに。

でもきっと恥ずかしんだろうな。

「おいおいいい加減なアドバイスするなって。何を怒ってるんだよ? 」

光はずば抜けて明るいからな。こう言う時少しは考えろよなと無理な注文をする。


「お前は自由過ぎないか。悩みなどないんだろう」

勝手に決めつける。だがあるはずがない。

「ははは…… それがあるんだな。でもお前に言うとこじれるから言わない」

生意気な光。それでは僕がまるで面倒でしつこいみたいじゃないか。

親友を何だと思ってるんだよ?

「いいから言ってみろって。どうせ大した悩みじゃないんだろう? 」

強引に迫るが言いにくいのか黙ってしまう。

おいおいそうすると大きな悩みを抱えているようじゃないか。

そんなはずあるものか。光はいい加減でいつでも自由に生きてるんだ。

まさか悩みがあるなど信じられない。どうせロクでもない悩みなんだろう?

ほら今すぐ告白しろっての。半笑いじゃないか。

恥ずかしいからってそんな風になる訳ないよな。分かってるんだぞ。

長い付き合いなんだからよ。


「ははは…… 笑わないで聞いてくれるか」

そう言うと一呼吸おいてから語り出す。

いやそう言うのは求めてない。もっとふざけた感じの軽いノリで言ってるのに。

どうしたんだろう光の奴がどこかおかしい。

そもそも悩みごと聞いてる時じゃない。彼女に認識されたことを噛みしめる時だ。

光には悪いが今は彼女のことしか入って来ない。

どうせつまらない冗談なんだろう? いいんだよそれなら無理しなくても。

そうそう彼女の件は光に言ってない。親友に相談しないのは不自然だが仕方ない。

いつだってからかうからな。恥ずかしくてこんなこと誰にも言えない。

でも明日からは大丈夫。もう解決した訳だしせっかくだから。


「俺さ…… もしかしたら愛が分からないかもしれない」

はっきり言った。でも意味不明だが。

「愛が分からない? はあ何を浸ってるんだよ」

あまりにもふざけているように見えたのでからかってみる。

果たしてこれが正しい答えなのか? 

でもあまりにもらしくないので勢いに任せる。


「うるさい! 真剣に聞く気がないならもう話さねえよ! 」

おっといじけてこれだから次期会長は任さられないんだ。

そうするとどうしたって僕が適任と言うことになる。

本当に面倒を押し付けるんだから。困った親友だよ。

それにしてもあの時確かにおかしな視線を感じた。

気になるよな。見られてるような嫌な視線。

その感覚が抜けない。教室にいる時は感じないのに放課後になるとたまに。

今もどこからか見られてるおかしな感覚。

ただの被害妄想の類だと思うがやはりおかしい。

しかも今までに感じたことのないとびっきり強烈なものだから。


「分かったって。真剣に聞くから。それでいいだろう? 」

それでも話は長いだけで核心に触れない。

情けない奴だな。クレープ屋のお姉さんにあそこまで積極的なのに。

まずは咳払い。そして物思いにふける。

「いい加減にしろって! こっちは真剣に聞いてやってるだろう? 」

「はいはい。実は俺誰も愛せないのかもしれない」

また? 無理矢理答えさせてしまった形。その結果が意味不明。

愛せない? いや愛されないか? どっちにしたって大した違いはないさ。

僕なんか今日まで好きな人に認識さえされてなかったんだからな。

どっちが辛いと思ってるんだよ。愛せないは意味不明だぞ。

正直光の悪ふざけとしか思えない。何を言ってるんだ?


詳しい話をしろと言っても応じる気配がない。

僕は暇ではない。せっかく彼女から認識してもらえたんだ。

ここで時間を浪費してられない。早いところ後をつけて居所を特定しなければ。

大体三回ぐらいは試した。それでもいつでも彼女は僕の追跡を逃れる。

物凄い洞察力と勘で危機を回避するから恐れ入る。

でも僕もただ失敗してるだけではない。確実に手がかりを得ている。

それは僅かな手掛かりなのだろうが。

必ず彼女の家を突き止めてもっと近づいてみせるんだ。


                続く

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