止まらない想い
痛がるミツキちゃん。
どうやら胸を掴んだらしい。そんなに強くしてないのに。
ちょっとぐらい我慢してくれよ。こっちも余裕ないんだからさ。
「ごめん。つい興奮して。わざとではなくただ闇雲に手を伸ばしたら…… 」
おかしな言い訳でどう考えても無理があるのに押し切る。それほど緊張してる証。
これくらいいいだろうと思うのは傲慢なのかな?
「ほら焦らないの! 」
どうも主導権を握りたいらしい。
だが渡さないぞ。もしものことを考えれば拒否できない状況は危険だ。
二人の為にも主導権は渡さない。
「ちょっと待って…… ミツキちゃんが来るとは夢にも思わず大事なもの忘れた。
だからさ。今夜はこれくらいでよくないか? 」
決してミツキちゃんが嫌とかではない。でも準備なしに重なり合うのは危険だ。
僕たちはそう言うことには不慣れで…… だけどこれはとても大切なことだから。
彼女を傷つけたくない。断れば彼女の心が傷つく。逆に続行すれば体が傷つく。
どちらを選んだとしても傷つくなら心を選ぼう。
もちろん本心では決してないがそれでも格好をつけたい。
大体僕はそんな酷い人間じゃない。見損なわないで欲しい。
「大事なもの? 」
「ああ…… 分かるだろう? あれだよあれ」
今この状況で言えるはずがない。まるで僕が望んでいるようじゃないか。
忘れたと言うよりそもそも持ってないんだけどね。
ただの一泊二日の旅に用意するには相応しくない。
これが二人旅なら分かるが今回のことはあまりに唐突。
そもそもメンバーにも入ってなかった。
いわゆるサポートメンバー。隠れてチームに帯同していた。
「急いで買って来れば? 」
「恥ずかしくて無理です」
「だったら一緒に行ってあげるよ」
優しくて気遣いができるいい子だ。でもできれば何かを感じ取って欲しいな。
アレがなくて困ってるんだからさ。
「そこまでしなくても…… 大体雪女スタイルの人はお断りされるだろう。
ここは地元なんだから。拝まれるかもしれないね」
ちょっとふざけて様子を見る。ミツキちゃんってその辺の知識ないのかな?
まさか僕の大好物の馬鹿なのか? まだガキだから仕方ない。
いやそれはないよな。あれほど求めてるのにおかしいぞ。
「だったらどうでもいいでしょう? ほら早く! 」
あれだけ分かるように伝えたのに…… やはりはっきり言葉にすべきだった。
でも何それと言われたらどうする? いや考え過ぎだな。
知らないはずがない。身を守る大事なものだぞ。
だとしたら単純にそこまで行く気がないってことか。
ただ振りがしたいだけ。大人の真似事。
「ほらまずは思いっきり抱きしめて」
どうやら最後までは行く気はないらしい。それなら安心だ。
「こう? 」
「そんなこと聞く? 」
「ははは…… 緊張してるのかな」
どうにかごまかす。でも第三の山田だから。そもそもリードできるはずない。
「もう元気ってば! 」
「ごめんごめん。うん凄くかわいいよ。まるで雪女みたいだ…… 」
ついふざけてみたくなる。いけないと思いつつも止められない。
柔らかいな。匂いもいい。これがミツキちゃん?
何度もキスをしたからこの感触は残っている。
でも何度目だろうと慣れはしない。とんでもない興奮状態。
今すぐにでも襲いたい衝動に駆られる。ああ保て! 自分を保つんだ!
これ以上は危険だ。ミツキちゃんを傷つけてしまうぞ。
「ほら早く! 」
白い衣…… 変な雪女コスプレの服を脱がしに掛かる。パジャマらしいが。
つい変な力が入って脱がすのに手間取る。緊張して手が震える。
「電気消そうか? 」
ここまで消極的なのは珍しがられるかな? 現在緊張感マックス!
「元気! 今更恥ずかしがらないでよ! 」
怒り出してしまった。今日はここまでかな。潔く諦めるか。
これも人生さ。残念だけど仕方ない。
「ミツキちゃんが嫌かなと思って。恥ずかしいだろう実際のところ? 」
どうしても気になってしまう。僕だってできるなら人に裸を晒したくない。
見られたくない。見せたくないんだ。それが普通だろう?
どうも逃げてるみたいだ。相当臆病なんだろうな僕って。見放されたか?
「バカでしょう? 元気に見られて恥ずかしい訳ない! 」
「それは僕に男性としての魅力がないから? 」
「違う! 愛してるからでしょう! 」
一貫して僕への想いを訴えかける。ここまでされて応えない訳には行かない。
もう二人には限界はない。行けるところまで行ってしまえ。
「おいでミツキ」
「嬉しい元気! 」
ミツキちゃんはとっても怖いけどとっても従順だ。
「では脱がします」
そう言って衣服を剥いでいく。僕って本当に情けないな。
「もっと優しくお願い! 」
懇願される。だが優しくしてと言う女ほど激しくされるのが好き。
そんなことをどこかで読んだような気がする。
「まさか…… ノーブラなの? 」
お目見えしたのは小さいながら弾力もあり程よい柔らかさ。
これが一週間前に頼み込んだ代物。あの時は時間が迫っていてお預けを喰らった。
どうやらあの時も全裸だったんだろうな。僕が夢から覚めるまで一緒にベッドで。
そこで起こされ無意識のうちに探った気がする。
「ダメ元気! 」
さすがにこれ以上観察してはダメらしい。気持ちは分かるがまだよくないか?
「へへへ…… いいだろう? 」
「元気! 」
まずい…… ふざけ過ぎた。これ以上はさすがに探れない。
「悪い悪い。今日はこれくらいにしよう。危険過ぎる」
Bカップのお胸を拝めただけでなく触ったことに意義がある。
これ以上は危険過ぎる。それだけでなくできればこれくらいで。
後はまた今度に取っておきたい。例のモノもないしね。
僕は好きなものは最後に取っておく派だからな。
閉ざされた世界を探る旅はまだ第一章だ。
贅沢でおかしな僕からの願いだがきっと聞き入れてくれるさ。
お楽しみは次回に。あればの話だけどね。
続く




