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どこでする?

ミツキちゃんの制服姿につい興奮してしまった。

この子は何を着せてもかわいいんだよね。

そんな風に褒めれば絶対調子に乗るし扱いが雑になるから心に留めるだけにする。

「もう! どこから覗いてる訳? 」

お怒りモードのミツキちゃん。こうなればかわいいもの。

宥めるには全身を使って抑え込むしかない。

これは仕方ないことさ。周りに迷惑が掛かるからな。


「ちょっとどこ触ってるのよ! 」

「違うんだって…… ほら興奮するなってバカ! 」

「バカは元気でしょう! きちんと褒めなさいよ! 」

「でもただの制服だし…… これ以上見続けると危険だし」

「もういいわ。日が暮れちゃう」


「それでこれからどうするのミツキちゃん? 」

「やれるところを探そう」

大胆と言うか直球と言うか。どうしてこう僕の心を乱そうとするんだ?

ただ買いものに付き合うんだとばかり思っていたのに。

考えてることはそればっかりかよ。最低だな…… 人のこと言えないけど。

「よし行こうか」

手を出すが反応しない。どうやら子供扱いするなと言うことらしい。

難しい年頃だな。どうしてか外と中では感じが変わるんだよね。

それと長くいると雑と言うか地が出るのか怖い時がある。凄くかわいいけど怖い。


「おいこっちでいいのか? 」

駅前と言っても僕は地理に疎い上に方向音痴だから。

たまに迷って同じ道を何度もグルグル歩き回ることもある。

「元気ってば生意気! どっちの立場が上だと思ってるの? 」

何だか訳の分からない対抗意識を燃やすミツキちゃん。

それはもちろん僕が上に決まってる。だって年上のお兄さんだよ。

できるなら元気お兄ちゃんって呼んでくれるといいな。

まあ付き合うとなれば対等だからそうもいかないか。

本当何だかんだと振り回してくれるよねミツキちゃんも。


「ねえ入ろうよ」

つい目の前にアイスクリーム屋さんがあったので寄ろうとしたが却下される。

どうやら子供っぽ過ぎるとの判断らしい。僕が食いたいんだけど。

「ガキじゃあるまいし。それに寒いでしょう? 」

「言葉悪いよミツキさん」

つい圧が強いのでさん付けで呼んでしまう。もうちゃんはおかしいもんな。

一人の素敵な女性だから。扱いを間違えてはいけない。

「もうそこはちゃんづけでいいの! かわいいからなのは分かってるんだから」

自信満々だな。でも従うぞ。怒らすと怖い。何するか分からない恐ろしさがある。


「さあもうすぐ。ホラあそこ」

そう言うと公園へ。

もう薄暗いとは言え電灯だった灯ってるし人だってこんなに。

まさかここでする気か? 狂ってるぜミツキちゃん。それとも見せたい系?

僕は誰にも見せたくない系。 

「じゃあそろそろやろっか! 」

笑顔なのはいい。でもやっぱりここでは恥ずかしくて無理だ。

女の君が嫌がらなくても男の僕が嫌がるのさ。

へへへ…… 贅沢な第三の山田だからな。それに屋外はさすがに寒いよ。

アイス食べようとしてた奴が言うセリフじゃないけど。


「別の場所にしないミツキちゃん? 自信がないんだ」

正直に言ってみる。彼女ならきっと分かってくれるさ。

「嘘でしょう? それはこっちが言うセリフ。もう元気は情けないんだから! 」

うわ…… 失望させてしまったか? これはお別れも近いかもな。

よしここは潔く諦めてさっそく新しい恋を探そう。傷は浅いうちがいい。


「やっぱり僕たち別れた方がいい。ごめんねミツキちゃん」

切り出す。これでいい。もう相手してられない。

「はあ? いちいちそんなことで別れていてどうするの? 」

「だって君には光が…… 」

「だから二人っきりの時は口にしない約束でしょう? 大体どうして私が? 

それは元気の方でしょう? 」

擦り付けやがった。まあ彼女の説なら僕も光におかしな感情を抱いている訳か。


「馬鹿なこと言ってないで行くよ! 」

カラオケの看板が目に留まる。

「悪い。歌が壊滅的に下手なんだ」

「だから歌を歌うんじゃないって! からかってるの元気? 」

「ごめんごめん。でもカラオケはさすがに危険だ。別のところにしよう」

「もう! だったらどこがいい訳? 」

「それは…… 図書館とか? 」

「バカじゃない? そっちの方が不適切だしもう閉館の時刻だってば」

「そうかな…… ミツキちゃんがそう言うなら」

最終的にはマンガ喫茶で落ち着くことになった。


それにしても緊張する。ここだって人がいるから何するにしても他人の目がある。

ただ完全個室を利用すればその恐れもない。

仕方ないよな。プライベートを守るためにも選ぶか。

とりあえず面白そうなマンガを数冊。気分転換と緊張を和らげるために。

「何を読むの? 」

「読みやすいからギャグマンガかな。ははは! 」

とんでもない緊張状態では面白いんだからつまんないんだかもよく分からない。

集中力がなかったりするとどうも読んだ気がしない。

今は読めるような状況にない。僕はそんな鈍くないよ。

これって食事も似てるかな。

美味いものでも他のことに集中してると味しないと言うか美味しくないんだよね。

今それがマンガでも。焦ってる証拠だな。

緊張よりも焦りが勝っている。


「ほらそろそろ始めよっか」

どうやらミツキちゃんは本気らしい。ここは正面から向き合おう。

だから勢いよく服を脱ぐ。ああもう後には引けない。

でもその前に確認すべき?

ああ自分でも凄く情けないと感じる。でも勝手にできないのが現実。

後でトラブルになるとは思えないがこの辺はきちんとしないとな。


                続く

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