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光のタイプ

放課後。

今まで考えもしなかったが光にとって僕はどのような存在なのか?

やはり親友? 友だち? それとも……

おいおいつまらないこと考えてどうする。

ミツキちゃんに指摘されるまでまったく考えもしなかったこと。

僕たちの間にそのようなおかしな関係ができるはずがない。

この程度のことで光との関係が壊れて行くのは嫌だ。

でもいくら僕が否定したところでそう見えるのならもはや事実。

僕たち問題とは言え周りからどう見られてるかも大事な訳で。

今回のことで地味で目立たない光の印象が随分変わった気がする。


「なあどうしたんだよ元気? さっきからずっと変だぞお前。ははは! 」

無邪気に笑う奴にドキドキしてしまう。こんな感覚今までなかった。

もちろんこれからだってないって思いたい。

「それが…… 」

緊張と言うか動揺して言葉にならない。

意識しないようにすればするほど光を意識してしまう。

初めてのことでとまどうばかり。ずっと胸に秘めた思いだから当然だよね。

それを無理やり引っ張り出さそうとする光。無意識下で誘惑してるに違いない。

そんなつまらない手に引っ掛かって堪るか。僕は何も感じないさ。


こんな狭いところで二人っきり。何と言っても大田原さんがまだ来てないから。

ああ間違いが起こるか? そんな風に一人で勝手に盛り上がる僕って最低?

でも仕方ないんだ。もはや自分では止められない。

誰かがきちんと違うと否定してくれないと自信喪失の僕ではどうにもならない。


「やはりお前はおかしいよ。妹がまた余計なことを言ったんだろう? 」

もう別れたと思ってるのは僕だけでミツキちゃんとの関係はまだはっきりしない。

もしかしたら週末にはふらっと姿を見せる可能性もある。

光はそもそも二人の関係を疑っていない。ただ妹思いの兄と言うだけ。

何かと気になるのだろう。僕だって兄になればかわいい妹を放っておけない。

「何を言ってるんだよ? ミツキちゃんはそんな子じゃないって」

二人の間にミツキちゃんが割って入り壊していく。

僕と光とミツキちゃん。あまりにも複雑になりつつある。

それを自覚してるは恐らく僕だけなんだろうな。

三人の時はさほど感じらないが二人っきりになるとダメ。

つい意識してしまう。どんなに我慢しても自然に振る舞えない。


そんなことを考えてる時じゃない。光もミツキちゃんも一旦忘れよう。

今はいかにして碓氷さんに振り返ってきちんと見てもらえるか。

それが最近の目標。ふざけてるのでは決してない。

第三の山田からの完全な脱却を目指す。

そのゴールは常に曖昧ではあるが一人の人間として認めてもらう。

一度は認識したはずなのにまたいつも通りのポジション。

それが辛くて情けなくて苦しい。好きだと言ってくれたのに。

碓氷さん! うおおお! 僕はここにいますよ。

まずい。禁断症状に陥る。あまりにも情けない状況に狂う。

それほど僕に取って碓氷さんは大切な存在。ミツキちゃんも当然そうだけど。

まだミツキちゃんを引き留められているかは微妙だからな。


「元気! 」

「光…… 」

親友に変わりない。仮に愛があったのだとしてもそれは変わらない。

強い意志を持って光に臨む。

こんなにも放課後が苦痛だったことは今までかつてあっただろうか?

自分がまったく分からなくなっている。今まで確認したことさえなかったから。

当然と言えば当然。たかが中学生の女の子に指摘されただけでこうとは情けない。


「光はさ…… どう言う人が好き? 」

うわ…… 自分は何を聞いてる? 失恋のショックから立ち直れてないないのか?

でも実際は失恋でもない。ミツキちゃんはただ拒絶したんじゃない。

僕の中に芽生え始めたものを敏感に感じ取ったのに違がいない。

「はあ? 何の話だ? 」

「性格だよ性格。どんな性格の奴がいいかなと思ってさ」

どうも言ってることが滅茶苦茶。それは奴からしてもそうだろうさ。

危うい存在として気に掛けてくれるだろうか?

「ああ修学旅行の話か。そうならそうとはっきり言えよ。らしくないぞ元気」

そう間もなく修学旅行がある。楽しいような楽しくないような複雑な状況。

「それでグループ分けするだろう? でもここで失敗できないんだよ」

今ちょうどその時期。このグループ分けこそが修学旅行では重要になってくる。

そう言う面もあるので選ぶにしろ決めるのに慎重になっている。


それは確かにそうなんだけど。でも実際は違う。

どのような性格の人間が好きか? 一方なのか両方なのか?

ミツキちゃんの言い方からして光は意識してると思ってる。でもそうは見えない。

これはどう言うこと? ただ騙されただけ? 暇つぶしに何てことをするんだ。

「別に誰でもいいだろう? うるさくなくて迷惑かけない。

最低限のことはきちんとやれる男」

適当に答えてるように見えて随分こだわりがある。

「そうかな大事だぞ」

何でも初めが肝心。準備段階からいろいろ決めてこそうまく行くもの。

「誰でもどんな奴でもいいって。強いて挙げるならお前かな元気」

何かとやり易いからだそう。

うわ…… 僕を必要としてくれる人間がいた。


修学旅行をダシについ光の本音に迫った気がする。

こんなやり方は汚いしフェアじゃないが自信にはなった。

ミツキちゃんかそれとも碓氷さんか?

僕にとってどちらが相応しいのか?

分からない。分からない。ちっとも分らない。


                続く

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