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インプット完了

ミツキちゃんがいなくなって寂しいような嬉しいよな複雑な感情。

苦手だけど決して嫌いじゃない。だってご褒美をくれるから。

いやいや何を妄想してるんだ? 親友の妹でしかも中学生だぞ。

いけない。冷静にならないと。


「なあ妹を見てどう思う? 変だろう? 」

らしくなく真剣な光。心配性だな。大丈夫だってきっと……

だからって適当なアドバイスはできない。もし実践でもされたら厄介。

ここはプラス思考で。褒めてやるのがいい。

「そうかな…… 充分かわいいと思うよ。大人しくてもそれは個性で…… 」

勝手に大人しい少女像を描くがあれではそう見えないか。

「ありがとう。でも人の感情に鈍感と言うか笑ってはいけない時に笑ったり。

してはダメな時に守らずに失敗するんだ。以前話したよな」


光の悩みの種の一つが三つ離れたかわいらしい妹の外での振る舞い。

そう言えば今も脱いではいけないところで脱いでた。これってわざとじゃないの?

複雑な気分。多少は僕に好意を持ってくれると思っていたのに。ただの勘違い?

残念だ。実に残念だ。思ってる以上に辛いものがあるな。

この兄妹にいいように操られている。そんな気がする。


この際ミツキちゃんはどうでもいい。学校では知らないが僕の前では気前がいい。

今はそれよりも彼女のこと。せっかく認識されたのにこのままでいいはずがない。

しかしそのことを相談しても絶対からかうだけだからな。


そう言えば光の女の趣味って今日のことでも分かるようにちょっと年上の女性。

同級生にはあっても下級生に興味を示すことはない。

それは僕も似たようなものだけど極端だからな光の場合。

僕はそこまでの強い拘りがあるのではない。ただ彼女への執着があるに過ぎない。

彼女と言う存在に興味を示しているだけ。もし彼女が大人の女性でも構わない。

仮にミツキちゃんみたいに三個下の中学生だっていいんだ。

結局のところ彼女が好きなんだ。クラスメイトだからこんな感情が生まれたのか?


「お前も女には気をつけな」

物凄く上から見下ろすように言ってきやがる。アドバイスはいらない。

自分が多少女性と縁があるからって生意気。学校じゃ目立ちはしないのに。

お前など第三の山田と大差ない。それくらい自覚しろっての。


「なあそれでさお前は…… 」

「うん。見た見た。あれ面白かったよな」

ドラマと映画とゲームの話へと移って行く。

光の家で暇を潰して暗くなって帰る。

あれ? やってしまった。せっかくのチャンスをフイにしてしまう。

彼女を追いかけていたところを無理やり連れて来られたんだった。

そしてそのまま光に付き合う羽目に。

ゲームも楽しかったしミツキちゃんもかわいかったので文句はない。

充分満たされたけどそれは楽しく遊んだことに満足してるだけ。

彼女の件はまったく進んでない。あーあまた明日だな。


それと視線を感じる件。光は僕の馬鹿な妄想だと取り合わない。

今更そんなおかしな妄想が肥大化するはずがない。僕は間違いなく正常。

彼女に認識されて舞い上がっているのも確かだけどそれだけでは決してない。

でもこれは二学期に入ってから。


いや…… 今は彼女のことだ。

何て言っていいか迷うがいい悪いは別として今日で随分と流れが変わった。

そんな期待を胸に明日も学校に行くのだろう。ああ明日が今から待ち遠しいよ。

いつものハイタッチ要員にどう対応するのか? 

恥ずかしがってもうやらなくなるかもしれないな。


翌日。

さっそく彼女の様子を見守る。これが日課だ。

いつものように朝の挨拶に軽くハイタッチをかわす。

構わずに誰とでもやれるその明るさは尊敬に値するところ。

僕たちのところに勢いよくハイタッチしていく。これが毎朝の光景。

昨日と同じようにハイタッチの輪に入るがどうも彼女のやる気が感じられない。

「ごめん皆。ちょっと疲れてるんだ。今日はこれで」

らしくない彼女の言い訳。これでは我がままな気まぐれヒロインだ。

でも彼女はそう言うお嬢様タイプでは決してない。そもそも頭が非常に悪い。

どんなに隠しても頭の悪さは滲み出てきてしまうもの。間違いなくおバカさんだ。

どんなにごまかそうが必死に隠そうが近くにいれば嫌と言うほど感じることに。

だから逆に一緒にいると妙に落ち着く。

と言っても僕の場合は教室でただ同じ空気を吸うぐらい。または尾行する時。


「どうしたんですか? 」

つい心配になって声を掛けてしまう。もうただハイタッチを待つ愚か者ではない。

仮に第三の山田だとしてもそれはそれで構わない。認識されたのだから。

「何でもない山田…… 」

インプット完了。もうこれで二度と忘れることはないだろう。

彼女の心に深く刻み込んだに違いない。これでいい。

小さな一歩ではあるが僕に取ってはドキドキの一歩だった。

とても信じられないほどの一歩。

でも呼び捨てはよくないぞ。せめていつものように第三の山田でいいんだけどな。

これからは第三の山田として生きて行くつもりだが。

ただの山田では恥ずかしいのはどうしてだろう?


                続く

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