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紺の導師  作者: 燐火
2/6

【1-0】


遠く、紺碧の海水面に白い太陽光がちらちらと瞬く。切り立った崖の側面を、荒れた波が岩を削っていた。


眼下に望む青より深い海の色は底の深さを示している。……飲み込まれそうなほどに深い色。


力強く吹いた風が衣の袖や肩口のあたりで短く切り揃えた髪を舞い上げてゆく。


いつしか、場所もわからないところまで来ていた。たった一人、残されてしまってから、ただただ、闇雲に駆け抜けた日々が頭にめぐる。


そう、もう。


「……わたしだけ」


一人、私だけになってしまった。


ただ、死にたくなかった。

まだ、生きていたかった。


雲が風に流されて、太陽が顔を出す。太陽光が頭上から差し込んでくる。


私は、これからどうすればいいの。

私は、どうやって生きていけばいいの。


なにも、おもいつかない。

なにも、かんがえられない。


あぁ……だれか、おしえて……。


ゆらゆらと太陽光は揺れる。ただ、揺れていた。



***



人ひとり閉じ込められそうなほどに巨大な鉱石が内側から揺らめく光を発している。


白を基調とした、宮殿の大広間のような円形の部屋の中央に安置されたその鉱石に私は手を置く。


昨日の事のように思い起こせる、遠い記憶の彼方のあの日のこと。

あの日から、いったい何年が過ぎたのだろうか。


印象に残るあの日。


きっと、もう一生忘れることのできない衝撃的な事実を知らされたあの日。

私がここにこもらなければならないと知らされたあの日。


あぁ、あとどれほど待てばいいのだろう。

あぁ、あとどれほど待てば待ち人は来るのだろう。


ゆらゆらと鉱石の中で光は揺らめくばかり。ただ、目覚めの時を待っている。






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