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遥かなる旅路で  作者: 星野すばる
サルザールト編
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25 嬉しい報告

無事に学園の見学も終わり、三人はイチェスヘと戻った。



数日後にノアが店頭で店番をしているとラウルが訪ねてきた。


「早かったねー、お疲れー」


「ありがとう」


「話はザイアスから聞いたよー。アストラさんに部屋使っていいか確認してくるね」


ラウルはアストラと顔を合わせたのはほんの少しのため、ノアが念の為確認しに行った。


しばらくするとザイアスと戻ってきて、ノアは店番のためザイアスがラウルを部屋に案内する。どうやらアストラは手が離せないようだ。


「荷物置いたらアストラさんに挨拶行ってくるね」


「ああ、案内する」



ラウルもアストラにお世話になることに決まり夕食をともにした。

五人は夕食後、ノアたちの部屋へ集まった。


「父上に会えたよ」


ラウルは集まって早々に報告をする。安堵したような柔らかな声音だった。


「良かった……」


昔から父を探していることを知っているマリッサは涙目になっている。


「うん、ありがとう」


ラウルはマリッサにハンカチを渡しながらとても優しい声音で言う。

そして、アメリアに向かって話しかける。


「アメリアごめんね、こんな話をして」


「え?」


なぜ謝られているのか見当がついていないアメリアにラウルは拍子抜けする。


「いや、アメリアも同じ立場なのにって思って」


ラウルは言葉を選びながら言うが、アメリアはあまり気にしている様子はない。


「気にしてくれてありがとう。でも行方がわからなくなってから10年経っても再会できることがわかったからむしろ元気出たよ。良かったねラウル」


アメリアは曇りのない笑顔でいうと、ラウルはアメリアを抱きしめる。


「本当にいい子だね、アメリア。

俺も協力するから」


「ありがとう」


驚きつつもアメリアは笑顔で抱きしめ返した。


ノアは笑顔で、マリッサはラウルの行動に驚きつつも笑っていた。

その後ろで少し複雑そうにしているザイアスに誰も気づかなかった。


ラウルはすぐにアメリアから離れ、ザイアスとノアに言う。


「これからのこと、話したいからザイアスとノア、少し時間もらえないな」


アメリアとマリッサは部屋へ戻り、三人で話をする。



「さっきはアメリア抱きしめちゃってごめんね」


二人が去ったあと、申し訳無さそうにノアにラウルは言う。


「俺はそういうの気にしないよー。

それにアメリアからああ言われて、申し訳無さみたいなのが溶けたんだろうなーって思ってたからー」


いつもと変わらない様子でノアが答えると、ラウルは安心した様子を見せる。


「うん、アメリアの前で言うのは申し訳ないって思ってたけど、隠すのも良くないなって」


「そうだね。それこそアメリアが傷ついちゃうよ。でも良かったね、本当に」


「ありがとう。本題なんだけど、これからも皆の旅について行ってもいいかな」


「もちろん構わないが、家に戻らなくていいのか」


「家は父上が戻るから大丈夫。俺は陛下から勅命を受けたんだ。ペンダントを集めることの力になってほしいって。王妃様の話も秘術の話もお聞きした」


ノアとザイアスは顔を見合わせ、ザイアスは頷いた。


「これからもよろしく」


「俺はそんな強くないしあまり力になれないかもだけど」


ラウルは自信なさげにいうが、ノアは否定する。


「もしザイアスと俺が動かないといけないときに、アメリアとマリッサのそばにいてもらえるだけで安心だからねー」


ノアの言葉にザイアスも同意する。


「ああ、今後も安全とは限らないからな」


「それ、ザイアスのお父上にも同じことを言われた。アメリアとサイアスのお父上はお知り合いなんだね」


ラウルは詳しい経緯を二人に話し、この日は眠ることになった。



朝になり、出発は明後日ときまった。この日は船を出してもらい、マリッサがまずサシャに別れの挨拶に向かった。


サシャに明日に出発することを告げると、サシャは意を決したようにマリッサにいった。


「私、イチェスに行く」


「無理しなくても大丈夫だよ、船は出してもらえるから、明日はノアたちもくるよ」


「何度も船出してもらうの申し訳ないし、弟子のみんなにも会いたいから。もう私は大丈夫」


サシャは力強く言うとマリッサも止めず、そのままの勢いでイチェスヘ行くことにした。


船を出してくれているブライトも驚きつつも、サシャの頭をわしゃわしゃと撫でてサシャに怒られていた。


「せっかく整えたのに!ブライト兄さん」


「元気そうで良かったよ、サシャ。これから毎日わしゃわしゃしてやるからなー」


いたずらにブライトが笑うとサシャも笑い返した。



イチェスに戻ると弟子たちもアストラも驚きながらも暖かくサシャを迎えた。


「みんなごめんね、心配かけて。これからはこっちで生活しようかなって」


「学園に行くまで鍛えるからな」


アストラが言うと弟子も含めて皆笑った。まるで空白の期間などなかったかのように。


「学園も行っていいの?」


「もちろん。こいつらも全員学園に行ってるし、学園で学べるのは技術だけではないしな」


「ありがとうございます」


サシャは学園へのあこがれもあったのか、その言葉を聞きアストラへ深く頭を下げながら礼を伝えた。


次の日に一行はアストラやサシャ、弟子たちに見送られ、イチェスを後にした。

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