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遥かなる旅路で  作者: 星野すばる
サルザールト編
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23 進展

三人は車を降り、山を登る。ほどなくして、ザイアスは来たことがある、小屋へと到着した。


猪たちはおらず、小屋へと入る。

人間の手は入っていないため、煩雑としていた。物はほとんどなく、唯一ある机も朽ち果てる寸前。引き出しはあるが手をかけたら今にでも崩れそうだった。

三人は引き出しを開けてみることはせず、小屋を確認する。


コートと思われるものが落ちており、ラウルは拾い上げて、タグなどを確認するが首を振った。


「父上のものかはわからないな」


他にめぼしいものはなく、三人は下山した。



酒場に戻ると客は引いたようで、テーブル席が空いていた。ハンナに案内されて席につくと、アンネがやってきた。


「うちの旦那、今空いてるから家に行ってもらえる?向かいにあるあの家だから」


窓越しに指を差すアンネ。アンネはまだ手が離せないため一緒にはいけないが、村長に話はしてあるとのこと。

三人は家に向かった。



呼び鈴を鳴らすと村長が出てきて、中へと迎い入れてくれた。リビングに三人は案内され、テーブルにつく。


「ザイアスさん、アメリアさんお久しぶりです。そしてラウルさんははじめまして」


「はじめまして」


「アンネから話は聞いています。クロがなにか言ってなかった聞きたいと」


「ええ、差支えのない範囲でお聞きできればと」


ザイアスが返事をすると、村長は少し困った顔をする。


「あまり、有力かはわかりませんが。今までとある任務をしてて、10年も連絡できなかったけれど、やっと終わって家へ戻ったら父親に息子はやることは落ち着いて今はお前を探しに旅立ってると言われたようで、自身も国を出たと言っておりました」


「ちょうど辻褄は合うかな……」


ラウルが言うと、村長は話を続けた。


「縁のあるところをいくつか回って、こちらにも来たと。色んな所回ってれば会えるかなと言っていたのですが、息子さんも行方不明なわけではないならとりあえずご実家に戻ったらどうかと提案しました。そしたら一旦国に戻ると。2週間ほど前ですね」


「それなら国に戻ればもしかしたら会えるかもしれない。父上はきっとお祖父様の話を聞かずにきっと飛び出したんだと思う」


ラウルが言うと村長は頷く。


「クロがラウルさんのお父上であればですが。すみません、決定づけるものはなくて」


「いいえ、お話いただいてありがとうございます」


深くラウルは頭を下げる。

話は終わり、村長の家をあとにした。

三人はとりあえず酒場に戻ることにした。


「ザイアス、俺……」


「もちろん戻って構わない」


ラウルの言葉を遮るザイアス。ラウルは少し遠慮がちだったため、あえて言い切ったのだろう。


「ちょっと急ぎたいからノアとマリッサにはあとから伝えようと思ってる。結果も皆には伝えなきゃと思ってるから、すぐ戻るよ」


「戻ってくるなら俺らは2週間ほどイチェスに滞在しておく。間に合わなそうだったら手紙でも構わない」


「ありがとう。アメリアもありがとう。アメリアがここに来たいって言わなかったら知らなかったことだから」


アメリアの方へ向き、ラウルは感謝を伝える。


「お父様に会えるといいね」


「うん。アメリアもいつかきっと見つかるからね」


「ありがとう」


三人は酒場に戻って、アンネとハンネにお礼を伝えて、車に乗り込み、家へと戻った。


今夜の船は間に合わないため、一泊して早々にサルザールトへ向かった。途中でラウルは北へと向かうため二人とは別れた。


ザイアスとアメリアはイチェスより北にある街によってみたが、特に収穫はなく、一泊することになった。


朝になり、二人は待ち合わせていた宿に併設する食事処で話をする。


「ペンダントが埋まった。ノアとマリッサがなんとかしてくれたんだろう。次はジオルグだ。おそらく首都を目指せばいい」


そう話すザイアスの表情は明るくない。


「ジオルグって……」


「エリーさんが教えてくれた内戦一歩手前の国だ。話を聞いたのは結構前だから状況は変わっているかもしれない」


初めてエルフォルクに行った際に旅立つ直前にエリーから、ジオルグは内戦一歩手間で出国と入国に検問が引かれてると聞いていた。ただ、それもだいぶ前の話。


二人はいったんイチェスへ戻り、ノアとマリッサと話してから、サルザールトの首都で情報を集めることになった。

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