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遥かなる旅路で  作者: 星野すばる
サーカス団編
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6 切り替え


マリッサが目を覚ますと、隣のベッドでザイアスが眠っていた。物音をたてないよう、ベッドから離れ、備え付けられている洗面所へ向かう。


少し腫れてしまった目をいたわるように顔を洗う。タオルで拭いてから、鏡を見る。


「もう大丈夫」


自分に言い聞かせるように声に出した。持ってきていた服に着替え部屋に戻った。



部屋に戻るとザイアスは起きていた。すでにベッドから出ており、窓の近くにあるイスに座り外を眺めていた。いつ着替えたのか、もう着替えも済んでいた。


「おはよう」


「おはよう、もう大丈夫か」


「うん、心配かけてごめんね」


マリッサもザイアスの正面にあるイスに座る。購入してあった飲み物をのみながら少し休む。

お腹が空いてきて、ご飯を食べに行く話になった。ノアたちも誘いに、部屋へと向かうが、ノックしても反応がない。


「まだ起きてないみたいだな」


この日はなにも予定はないのでさほど気にせず、二人でご飯を食べに行くことにした。

近くにあったカフェで食事をとる。この日はクロワッサンとサラダがおすすめだったため、二人とも同じものを頼んだ。


「ノアは結構朝弱いよね」


「俺も強くはないけど、ノアは特にな。

アメリアも朝弱いな。予定がなければゆっくり寝てる」


時間もかからず食べ終わり、店を後にした。そして宿に戻る。ノアとアメリアの居る部屋にノックをするがまだ返事がなかった。


「とりあえず、マリッサたちの部屋にいてもいいか」


「もちろん」


二人は再度部屋に戻った。


マリッサとザイアスがご飯に出掛けた頃、アメリアも目を覚ました。着替えなど準備を済ませたところ、ノアも目を覚ました。二人もお腹が空いたので、ザイアスとマリッサの部屋へ向かうが、不在だった。


「ご飯食べに行ってるのかなー。俺たちも行こうか」


ノアとアメリアもご飯を食べに行くことになり、近くの飲食店で食事を済ませた。


「どこか散歩でも行く?」


「うん」


特に目的もなく、宿の近所を歩く。


「この辺りは宿と飲食店が多いねー」


ノアの言うとおりだった。二人は歩みを進めると、服屋や雑貨店が立ち並んでいた。


「あの雑貨店見てもいい?」


「いいよー、行こうか」


アメリアが目を輝かせながらしたお願いは通り、お店に入る。アメリアがお店を一周し、リボンやレースをいくつか購入した。


宿に戻ることになり、歩いていたところ、ラウルがサーカス団の団員と思われる若者三人と歩いていた。


「二人でお買い物?」


ノアとアメリアに気付いたラウルが二人に近づき声をかけた。


「そうだよー、ラウルたちも?」


「うん、この三人はサーカス団の団員で、マリッサの実家にお世話になるから、色々必要なものを買い物に来てたんだ」


ラウルは手には服などの衣服や鞄等が入った袋を持っていた。


「そうだ。最終公演は皆で見にきてくれないか」


手に持っている袋を一度下ろし、肩から下げていた鞄からチケットを取り出してノアに渡す。


「うん、観に行くよー」


ノアはチケットを受け取り、ラウルたちを見送った。ノアとアメリアも宿へと戻り、ザイアスとマリッサが居る部屋をノックする。返事が返ってきて、中に入る。


「ごめんねー、起きるの遅くて」


「ご飯食べてきたの?」


ノアが謝りながら中に入ると、マリッサが答えた。


「そうー。たまたまラウルに会って、最終公演に観に来てって」


最終公演を見に行くことが決定した。

部屋割りも元に戻し、ザイアスとノアは部屋へと戻っていった。



「マリッサ、ラウルと旅に出れる?」


「平気だよ、ごめんね心配させて」


アメリアとマリッサはベッドに横になりながら話をする。


「そういえば、アメリアはノアとザイアスに吸血鬼って言われたときどう思ったの」


「出会ってすぐに知ったから特になにも思わなかったよ、正直に言うと知ったときはよく分かってなかった」


アメリアはマリッサの方を向きながら答える。


「そっか。ラウルが吸血鬼だって知ってたら好きになってなかったかな」


「私はなってると思う。ラウルが人間でも吸血鬼でもラウルということは変わらないから。

マリッサはラウルが吸血鬼だって聞いて嫌いになった?」


「ううん、なれなかったからものすごく悩んでる。お話聞いてくれてありがとう」


アメリアとマリッサはそのあとも話を続け、眠りについた。



ザイアスとノアも部屋で話をしていた。


「マリッサは大丈夫そう?」


「まだ受け入れるのに時間がかかると思う」


「そうだよねー。

俺達は友達だから受け入れてくれてるけど、恋愛になるとね、複雑だよね」


ザイアスとノアは珍しくお酒を飲まず、イスに座ってお菓子を食べている。


「ザイアスは大丈夫ー?」


「俺はもう割りきってるから。

あの子が幸せになってくれればそれで良い」


ザイアスは立ち上がり、ワインでも買ってくると告げ、部屋から立ち去った。


「幸せに……か。そうだね」


残されたノアは日が落ちてすでに暗くなっている窓の外を見ながら呟いた。


最終公演の日までは、一行は買い物に出掛けたり、部屋でゆっくり休んだりして過ごした。

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