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遥かなる旅路で  作者: 星野すばる
学園都市編
25/91

15 学園祭前日


この日は朝から雨が降っていた。

しかし、アメリアと生徒たちは町へと向かった。


「ありましたね」


文具店を訪ね、目的の品をみつけた。アメリアたちは複数個購入し、学園へとバスで戻った。



「先生の服、いつも可愛いですね」


バス停から学園に戻る途中で一人の生徒が言った。


「ねー、ミリアもいってた」


「初日はどうなるかと思ったけど、ミリアは影で先生のこと可愛いし良い人っていってた」


「そもそもミリアってああいう話し方しないよね。クラスメイトには敬語は使わないけど、きれいな言葉遣いだよね」


別の生徒も同意する。ミリアとはアメリアの講義初日にアメリアに対して少し突っかかった生徒の名前である。


「ありがとうございます。ミリアさんもそんな風に言ってくださったんですね」


「本人には内緒ですよ」


茶目っ気たくさんに女子生徒は笑った。アメリアも嬉しく思ったのか笑顔だった。


バスは学園都市に到着し、アメリアたちは雨に濡れないよう学園に急いだ。

クラスへと向かうと思いきや、アメリアが生徒たちに声をかける。


「ちょっと借りてくるものがあるので、先に戻っていてください」


はーいと言いながら生徒たちはクラスへと戻った。アメリアは借り物をしに別の部屋へと向かった。


「あれー?アメリア。どうしたの?」


アメリアが向かったのはノアのクラスだった。


「彫刻刀を借りたかったんだけど、あるかな」


「講師室に戻ればあるけど何に使うのー?」


アメリアは耳打ちをした。

ノアは今にも悪戯をしそうな笑顔を浮かべ、


「それ、俺のクラスの子も便乗して良いかなー?丁度絵を書くときのエプロンのデザイン考えてて、どうやって転写しようか悩んでたんだよねー」


「うん」


アメリアは先に部屋に戻り、あとからノアは頼まれたものと生徒たちを連れてアメリアのクラスに向かうことになった。



「アメリアー、お待たせ」


ノアが教室に入ってくると、ミュージカルの練習をしていた生徒たちも何事かと振り向いた。


「ありがとう」


「ちょっと慣れてないと危ないから、俺もついてるねー」


ミュージカルの練習をしている生徒たちは練習に戻り、アメリアの主導で数人はなにかを一生懸命作っているようだった。


完成した頃にはもうこの日の準備時間は終わりを迎えていた。ノアはお礼を告げ、自分の担当の生徒たちとクラスへと戻っていった。


「なにしてたの?」


劇の練習をしていた生徒たちが聞くが、当日までの内緒と誰も口を割らなかった。



準備も佳境となり、ついに学園祭前日となった。

学園祭は、学内公開が一日間、一日休みをはさんだあと二日間は学外からの招待客を受け入れる。

どのクラスも例に漏れず、忙しさは増していた。


この日は昼間までの作業も暗黙の了解として受け入れられているため、生徒たちの様子はまるで修学旅行の夜のようだった。


「アメリア、ちょっとこれ直せるか?」


アメリアのクラスにザイアスが訪れた。屋台を運ぶ際に着ていたエプロンを破いてしまったらしい。


「うん、直したらあとで持っていこうか?」


「いや、もううちのクラスは準備が終わったから待ってる」


アメリアは手早くほつれた箇所を直して、ザイアスに渡した。


「ありがとう。まだやるのか?」


「うん、最後まで練習したいって」


「無理するなよ」


ザイアスはアメリアの頭をくしゃっと撫でてからクラスをあとにした。


アメリアのクラスは朝が来ても練習を続け、服の微調整も続けていた。


キリがよくなったところでアメリアとなにか作っていた生徒たちが、声をあげた。


「これみて!」


その先にはおしゃれな柄が入ったTシャツがあった。


「え!みんなでおそろいのTシャツ?

しかもこのTシャツ、袖とか裾が広がってて可愛い」


劇に出る生徒たちは驚きを口々にした。

アメリアたちが作っていたのははんこであり、Tシャツに押しても落ちないインクで全員分のTシャツを作った。街に出て購入していたのは、水に濡れても落ちないインク。


「あとこれは私からみなさんにプレゼントです

私が服を作ったときの余った布なので、趣味がものすごく入ってますが」


アメリアは全員分のシュシュを渡した。

黒を貴重としているが一人一人少しずつ色や柄が違うものだった。


「ミュージカルないときに、学園祭回るときにみんなでお揃いで着れるね」


「後夜祭で着るのもよくない?」


「それいい!」


全員でTシャツを着て楽しそうにしていたところ、部屋にノアとザイアスが入ってきた。


「まだやってるのー?」


「そろそろ一旦帰る時間だぞ」


日も高くなりはじめ、お昼時になりそうだった。


「そうだね、

今日はもう一旦帰りましょうか」


名残惜しそうに帰宅の準備をはじめ、全員帰宅した。

その様子を見届け三人も帰路へとつく。


「マリッサは?」


「来賓向けの準備で今日は早いからって夜に帰っている」


最近は各々準備に追われており、なかなか話す時間がとれていなかった。

明日が終われば1日休みだが、この様子だとどのクラスも準備をするだろう。


学園祭本番を迎える前に、四人で少し話をするためにザイアスとノアの部屋に集まることになった。


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