13 助っ人
休日は珍しく各々自由に過ごした。
普段は一緒に過ごすことが多いが、マリッサは仕事が忙しく休日出勤、他の三人は学園祭の準備や講義の準備が忙しいとのことだった。
休みを終え、三人はいつも通り学園へと向かった。休み明けのこの日は職員会議がある。
「皆さん、紹介したい方々がいらっしゃいます」
会議が始まると共に学園長が言った。
周りはなにも聞いていないというような反応をしていた。
女性二人が入ってきた。
三人がいる場所から離れているため最初はわからなかったがよく見てみるとマリッサとサリだった。
「はじめまして、マリッサ・インラールと申します。学園祭の運営や経理面を担当させていただきます。よろしくお願いします」
「サリ・アルメンと申します。マリッサと同じく学園祭の運営や経理面を担当させていただきます。よろしくお願いします」
挨拶に拍手が起きた。
学園祭の運営や経理などは講師全員で分担をしていた。しかし、普段の講義の準備なども講義が休みになる学園祭二週間前までは行わなければならない。業務量が増えて疲労が見え始めた頃だった。
「今まで学園祭のことも皆様に頼んできて申し訳ございませんでした。
前々から募集をしていたのですが、なかなか集まらなかったので他の学園で働いていたかたに来ていただくことにしました」
マリッサとサリが働いていた所の学園長とこの学園の学園長は旧知の仲らしく、講師たちの疲労も目に目えてきていたため、困り果てた学園長が相談したが、マリッサとサリ以外は吸血鬼の学園は嫌だと言ったため、二人だけこちらに来ることになったとのことである。
二人の紹介が終わったあと、どのクラスがどんな出し物を行うかとうことや状況を伝えあった。マリッサとサリが来週までに場所の割り振りを考えておくことになった。職員たちは担当のクラスに具体的に何をするのかと、宣伝用のパンフレットの記事を作成するよう生徒たちに伝えることになった。
また、飲食が伴うクラスには衛生指導の手配や業者の選定をマリッサとサリが行うことになり、それ以外のクラスには一律予算を渡し自主的に準備をはじめてもらうことになった。
そこまで話が決まったところで職員会議は終わりとなった。
三人とマリッサとサリは一緒に講師室まで戻ることになった。
「教えてくれてもよかったのに」
拗ねたように言いながらもアメリアは嬉しそうにしていた。
「ビックリさせたくて」
お茶目にマリッサは笑った。
マリッサがこの休日忙しかったのは異動のための準備や引き継ぎのためだったらしい。
「二人とも昼夜逆転になるだろうからあまり無理はするなよ」
「ありがとうございます、ザイアスさん」
サリがお礼を伝えていると、講師室へと着いた。三人は各々の部屋へと戻り、マリッサとサリは部屋の数の都合上同じ部屋に割り当てられたため一緒に向かった。
文化祭の準備は着々と進み、ついに二週間前となった。講義は休みとなり学生たちは常に準備ができることになった。出し物をするクラスは準備や練習を、飲食のクラスは屋台の準備や衛生面での研修などを行うことになる。
今年は本格的に学園祭を行うのがはじめてのため、講師陣もサポートしつつ準備を進めていくこととなった。
学園祭前最後の講義が終わり、寮へと向かう。
マリッサとサリも同じ寮に引っ越してきている。
「あと二週間か、早いな」
「それにもうすぐ契約も終わりだねー」
学園祭まであと二週間。
学園との職員の契約も学園祭が終わって片付けの期間が終われば終了となる。
「サリさんはどうするのー?」
「私は実家に戻ります。学園都市に憧れてたのと少しおこづかいがほしかっただけなので」
「そっかー」
マリッサは特に契約延長の話はない。三人は文化祭後に学園が一ヶ月ほど休みになるので、その間に学園長との面談があり、そこで話をするときいている。今は職員含め全員忙しいので時間がとれないとのことである。
寮に着き、男女に別れた。
「上手くいけばいいんだけどな」
「そうだねー」
男子寮の階段を登りながら話すザイアスとノア。
学園祭の成功がペンダントを埋める鍵だと考えているが、そうだとは限らない。もしかしたら見落としているなにかがあるかもしれない。
「まあもし学園祭がじゃなかったら、また考えるしかないか」
「そうだねー、とりあえず最近疲れたからゆっくり休もう」
疲労がたまってきているが、もう少し頑張ろうと決めた二人だった。




