10 真夜中のお話
ノアの部屋にザイアス、アメリア、アルベールトが集まった。男性陣がベッドに座り、アメリアは近くにある椅子に座っている。
男性三人はワインが好きなため、ワインを飲む。
アメリアはザイアスが持ってきたフルーツリキュールをサイダーで割ったものを飲んでいる。
「どうしてアルベールトさんは職員になったのー?」
「あの学園の理事と知り合いでして、学園祭を成功させるためです」
ノアはなぜ仕事をしようと思ったのかということを聞こうとしたつもりだったが、想定外の回答が返ってきた。
よく分からないといいたげな表情を浮かべる三人。アルベールトはその様子を察し話を続ける。
「実は来年からセイント卿やサンデル卿が、講師として参画するという話が出ておりまして、今度の学園祭に来て決めることになっているのです」
アルベールトは包み隠さず話した。
ノアとザイアスは納得した様子だが、アメリアだけはよく分からない様子である。
「セイント卿やサンデル卿は学問に力を入れてることで有名だからな。有名な侯爵家だし、入学者は増えそうだな」
ザイアスの話を聞き、やっと話にアメリアはついてくることができた。
「そういえばさー、なんで今みたいな状況になったの?」
お世辞にも素行が良いとは言えない生徒が多く、学園都市全体から見ると、異質な学園になってしまってるのが現状である。
「マルウェイ卿の影響ですね。講師だったのですが、年もとっていましたし、辞めてしまったのです。そしてマルウェイ卿がいないならと何人もの講師がやめてしまいました」
マルウェイ卿ややめてしまった周りの講師たちは貴族制度を学業に持ち込まない主義だったようだ。
確かに下位の家柄の講師からしたら、単独でそのような動きをするのはかなり勇気を出す必要がある。
結果的に講師陣に貴族階級の者が少ないが、生徒は半数が貴族階級であり、立場の逆転が起きてしまったそうだ。
「なるほどー。でも学園祭の話は聞いたことないよ」
「行ってはいますが、毎年参加率は一割弱です」
成功とは言えない数字である。
聞くと、真面目な生徒が準備した発表や展示を行ってるのみであり、日中は生徒はほとんど誰もいない状況らしい。
今年は夜に行うという学園長からのお達しがあるが準備を行っている様子はない。あと二ヶ月弱なので、少し話が出てもよい時期であるが、全く耳にしない。
「他の講師はこの話を聞いてるので、やる気はありますが、主役の生徒がやる気がない状態です」
「そもそもどういうものかわからないんじゃないか、学園祭って。まずはそこからなんとかするべきじゃないか?」
日中行っている学園都市の学園祭に行き、楽しそうと思えばやりたがる人もいるはずだが、その様子がないとすると、そもそもよくわかっていないのではないかという、ザイアスの指摘は的確である。
「明後日、職員会議で共有しましょうか」
ザイアスの意見に納得した様子のアルベールトが笑顔で言った。
アルベールトが部屋に戻ると言い部屋に戻った。
「学園祭が鍵かもねー」
同じことを思っていたアメリアとザイアスは頷く。
「上手くいくように動いていくか」
まずは生徒たちがやる気になるように動くとこと、その状況を作るために講師たちに働きかけることを決める三人だった。




