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遥かなる旅路で  作者: 星野すばる
学園都市編
15/91

5 初出勤

朝になり、学園都市に向かう一行。


学園都市に着き、門の近くにいた守衛さんに声をかけると、係の人が駆けつけてくれて各々の寮へと案内された。

職員寮は八つあり日勤と夜勤、男女で別れているとのことだった。日勤と夜勤の寮の場所はそれなりに離れていた。


自由時間や休暇日に特に制約はない。学園都市内の施設を使っても良いし、街に出ても問題ないとのこと。

学園都市内はプールやバラ園、果樹園、水族館などがあり、専門の学生が運営している。



寮に各々案内され荷物を下ろし、自由な時間を過ごした。

夜になり、一行はレストランへと向かう。学生は本日は休みのところが多いようで人も多かった。


「お部屋どうだった?」


マリッサはアメリアに話しかける。二人は働く時間が違うため、寮が違う。


「すごくきれいだった。なんか自分の家みたい」


ワンルームにキッチンがついており、自炊などもできる。

臨時で雇われている人も多いが、長年雇われている人も多いのでそこそこに広く過ごしやすさにも重きが置かれているらしい。


「明日は休みだけどみんなどうするの?」


「図書館にいこうと思ってる、少し勉強しておこうと思ってな」


学園に通っていたときは史学専攻で、学園でも講師として指導に当たることになっているザイアスが言った。勉強をすることが好きで、専門以外のことも博識である。


「私も一緒に行っていいかな」


学園の時に商学専攻だったマリッサが言う。経済学や経営学にも詳しい。実家が貿易商であるため経理面も勉強をしているらしい。そのため、学園祭の補佐で、お金の管理も含めた発注の担当になったらしい。


「色んな国や土地のことを知りたいんだよね。各国のことを実際に見て知見を広げたい」


ザイアスとマリッサは一緒に図書館へ向かうことになった。


「俺はのんびりお散歩しようかなー。

アメリアも一緒にどう?」


「私は明日道具が届くから、お洋服作ろうかなって。でも少し散歩もしたいな」


勤務初日にお手製の服を着ていくために、町で必要なものを購入してたアメリア。少し肌寒い季節のため、少し厚手のものを作製するらしい。


「みんなの分も作っておくね」


服を作れるのが久々のこともあるのか、どこか楽しそうなアメリアだった。明日の予定も決まったところで各々寮に戻った。



初出勤の前日の夜。いつも通り一行は集まっていた。夜ご飯はできるだけ、毎日一緒に食べようということになっている。


「はい、これ」


マリッサに大きな包みを渡すのはアメリア。包みを開けると黒を基調とした洋服が入っていた。

白のブラウスに黒のスカート。赤色のリボン。スカート長めで柔らかい生地であり、後ろの方が少し長くなっている。

長身でスタイルのいいマリッサに似合いそうなデザインである。


「すっごくかわいい!ありがとう」


と、喜びながら受けとる。


アメリアはゴシック系が好きであり、自分の服を作る場合は黒を貴重としたフリルが多いものを作るが、誰かに作る場合は、似合うようにいつも作る。そのため、三人からはとても喜ばれる。


ザイアスとノアのはまだできていないため、明日渡されることになった。


「明日はみんなで着ていこうかー。服装自由らしいし」



次の日になり、マリッサは一足早く出勤した。マリッサは日勤のため朝から出勤する。この日は、まず学園内の案内と業務内容の説明のみだったため、予定より早く初出勤が終わった。


面接があった日に隣の席に座っていた、同じ国出身のサリと仲良くなった。サリも寮から通っており一緒に退勤した。夜にご飯を一行でとる約束をしていたが、想定より業務が早く終わってしまったため、それまでの間はサリとカフェに入ることになった。


飲み物を頼み、ソファ席へと座る。


「その服、とっても似合うね」


「友達が作ってくれたの」


嬉しそうに言うマリッサ。


「その友達もここにいるの?」


「うん、夜間部の講師だけどね」


その言葉にピクリと反応したサリ。


「吸血鬼?」


「その子は違うよ。でも他にもう二人友達がいるんだけど、その二人は吸血鬼」


サリは実家の近くの学園に通っていたらしく、吸血鬼は身近にいなかったらしい。マリッサも学園に入るまでは同様であったため、反応に納得できた。


「今度会ってみたいな」


「いつかご飯にでも誘ってみようか」


機会があれば紹介することになった。マリッサが約束している夕食の時間に近くなったため、二人を店をあとにした。



四人は集まってに夕食をとった。

アメリアはすでに二人に服を渡したらしく、ノアは白のシャツに燕尾服のような黒の裾が長いベストに、ノアの眼と同じ深い青色のラインがアクセントのパンツ姿。ザイアスは黒いシャツにグレーのライダース型のベストに、黒いパンツだった。ザイアスのものはベストに暗い青のラインが入っていた。


「似合うね」


マリッサは二人を見ながら、感想をいう。


「ほんとにすごいよねー」


「自分だとこういうものは選ばないけど、なんかしっくりくる」


二人とも自身の服を見ながら称賛をしていた。


アメリアは初出勤ということもあり、本人曰く押さえ目で、黒を基調としたワンピースに、赤のラインが入っており、ワンピースの裾は控えめにフリルが入っていた。


時間になり初出勤をするが、こちらもいきなり講義ではなく施設の説明からはじまった。銀髪の男も一緒だった。


これから各々の担当科目の講義見学とのことで、講義を見ることになった。


部屋を移動するためザイアスたちが学園内を歩いていると、生徒たちはざわついていた。丁度休み時間らしい。四人に詳しい内容は聞こえなかったが、新しい講師らしき人がいるというような内容が大半を占めていた。



「あなたたちは目立ちますね」


生徒たちのざわめいている様子を見ながら男が笑う。


「服が目立つかな」


自身の服を見ながら心配するアメリアを、男は否定した。


「容姿そのものですよ」


ザイアスとノアをみて納得するアメリア。


「あなたも目立ちますよねー」


ザイアスもノアもあまり容姿のことをいわれるのは反応に困るようで、ごまかすようノアが話をふる。男も長身でグレーに近い銀髪に、グレーの眼、長身で顔立ちも整っている。


「私はアルベールト。アルってよんでください」


アルベールトはノアの発言には反応しなかった。あなたという呼び方が気になったのか、もしくは名乗るのを忘れたことを思い出したのか名乗った。それに合わせザイアスたちも名乗り、自己紹介もすんだところで、教室に着き、まずは絵画の講義を見学することとなった。

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