3 仕事
夕方になり、待ち合わせ場所の宿に四人は集まった。
情報交換をしたところ、職員募集に応募してみることになった。職員募集の応募の条件は学園を卒業していることのみのため、四人とも条件を満たしている。
仕事内容は合格後に適正をみて判断されるとのことで、具体的に何をするかは現時点では不明である。
「とりあえず明日職業斡旋所にいってみるか」
この日は特にできることはないため、各々自由時間となった。
宿は二部屋取っているため、アメリアとマリッサは自分達の部屋へと向かい、ノアとザイアスはお酒を買いに行ってから、自分達の部屋へと戻った。
ノアとザイアスは購入したものをテーブルに置き、備え付けのグラスを取り出した。
「今日、なんか吸血鬼に声をかけられたよ。グレーに近い銀髪でグレーの眼をしてた。心当たりある?」
ノアは先ほど購入したワインを飲みながら、いつもより低く真剣な声音でザイアスに話しかけた。
「いや、無いな」
ザイアスは記憶をたどっていたのか、少し間が空いたあとに答えた。
この世界では、金髪や茶髪が一般的である。銀髪やグレーの髪はいないわけではないが、あまり見かけないため、一度会えば印象に残る。染めていれば話は別ではあるが。
「そっか。アメリアも知らなそうだったし、ちょっと気になったんだよねー」
「特に何かしてきた訳じゃないなら、今は気にしなくてもいいんじゃないか」
「そうだねー」
今は深く考えても意味はないということで、とりあえずは気にしないことにした。
次の日になり、四人は職業斡旋所に向かった。
学園都市にて働きたい旨を伝えたところ、早速明日に面接と説明を受けることになった。
急遽募集しているとのことで、すぐにでも働ける人を募集しているとのことだった。
職業斡旋所の受付の人に事情を聴いたが、詳しいことは不明で、説明があるはずなのでそのときに確認してほしいとのこと。急遽の募集かつ短期の募集となるとよくある話らしい。
宿に戻り、ザイアスとノアの部屋に集まった。
いつも通り、ベッドの脇にあるテーブルにマリッサとアメリア、ベッドにザイアスとノアが腰かける。
「面接って何を聞かれるんだろうねー。俺、受けたことないや」
ノアを筆頭に誰も面接を受けたことがなかった。
学園の入試も試験がメインであるため、仕事をしたことがないと、面接を経験することは少ない。
「俺は家業を継ぐ予定だから、受けたこともないし練習したこともない」
「私も」
ザイアスの言葉にマリッサも同意した。
「アメリアと俺は自営業だもんねー」
「うん」
ザイアスは吸血鬼の中でも権力と領地を持っている貴族階級であり、なおかつ長男。家業を継ぐ予定である。
対して、ノアも貴族階級だが、次男であるため家業は継ぐことはない。マリッサの実家は貿易商であり、将来は家業を継ぐ予定という話をした。
「まあ、なんとかなるだろう」
誰か一人受かればいいので、特になにか対策をすることはなかった。明日は夕方から面接と説明会を受けることになっているため、いつもより遅い時間に集まることになった。




