1 新たな場所へ
バスと鉄道を乗り継ぎ、かつて出発した学園のあるリッシェのマニフィへ戻ってきた。もう夕暮れ時だった。
学園都市へは夜行バスが出ているので、今からでも学園都市へ向かうことはできるが、そこまで急ぐことはないため、この日はマニフィの鉄道駅の近くで宿をとることになった。
ザイアスとアメリア、ノアはマニフィに家もあるが、鉄道駅からは少し離れているため、今回は家に寄らなかった。
宿に向かうと珍しく四部屋取ることが出来た。朝に出発することを決めて、解散した。
朝になり、一行は宿のロビーに集まった。そして、駅に向かい鉄道に乗った。ボックス席が空いておりそこに座る。
ほどなくして鉄道が出発すると、各々持ってきた飲み物を口にしながら、到着するまで話をする。
「そういえば、目的地ってどうやって決めてるの?」
前の話題が途切れたタイミングでマリッサが聞いた。
「仕組みはよく分からないっていない。目的地の方角へ光が指し示す。それだけだとわからないが、その日に夢で光が指し示した方向の風景は見るんだ」
ザイアスはペンダントを見ながら答える。
「そうなんだ、なんで場所を特定できているのか不思議だったんだよね」
「台座は十三個だから、あと十二箇所なんだね」
アメリアがペンダントを覗きながら言った。
「そうだな、巻き込んで申し訳ない」
申し訳なさそうにするザイアスに対して、残る三人は自分達も目的があって同行しているから気にしないでと答える。
「俺は色んな所にいって、絵とか小説とかをかきたいだけなんだけどねー」
ノアが少し暗くなってしまった空気を察したのか、にこにこと話し始める。
「千年くらい生きるし、せっかくだから体が元気なうちにと思ってねー」
と笑いながら言う。まだまだ衰えないだろとザイアスが軽口を叩く。
「ノアの絵見たことないかも」
マリッサが思い出したかのように呟く。その声を聞いたノアは鞄から一枚の紙を取り出して見せる。紙に書かれていたのは、四人が通っていたマニフィの学園だった。
「そういえばあんまり見せる機会なかったねー。これはなんとなく書いたやつだけど。たまに描いた絵を売って旅の資金にしてるよー」
「アメリアもアクセサリーとか洋服作って売ってたよねー?」
ノアが聞くとアメリアはうなずいた。
「最近あまりできてないけど」
この旅の資金は実家からの援助や趣味を活かして販売等を行って稼いでいる。時間がかかりそうな場所の場合は、働く予定でもある。
ほどなくして電車は停車し学園都市近くの町へと着いた。マニフィから意外と近く、昼頃に到着した。




