予感 作者: 玉石 正理 掲載日:2019/10/28 習いたての仕草で戸惑わせて。 それがかけがえのない喜びだから。 晴れた日の、街路樹に引っ掛かった風船に似た揺らめき。 握る手は、いつか違う誰かが。 見様見真似の装いで惑わせて。 それは避けられない淋しさだから。 濡れた日の、街路樹に立て掛けられた約束果たせぬ傘に似た佇まい。 支える手は、今は違う誰かを。 時計の裏で交わされる、さよならの指切り。 晴れた日の、街路樹にぶら下がった枯れ葉に似た結末。 それは引き返せない予感だから。