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003早く来てくれ

「なんだこいつよっと」


 俺は右によける。


 「やっぱり目のない化け物は音に反応するのがテンプレだが、ちょっと引っかかる」


 このサメの化け物俺が右に動いたのに真っ直ぐ突進してきた。

 目が見えないならそれを補うために耳が良くなる物だ。

 なのに俺が動いた事に反応しないのは何故だ?

 たまたま? 興奮していたから? それ以前にこちらの世界の存在を食えないはずだよな?

 噛まれたら終わりだな顎に力=物理エネルギーを籠めるわけだし、その攻撃で十分死ねる。

 FT同士で共食いとかできるのだろうか。

 俺は少し距離を取る。

 

 「ピギャ!? ピギャ~~~~~~~!!」


 サメの化け物は再度突進。

 なるほどそういう事か。

 俺は警戒しつつ近くの扉を開けた。


 「ギー! ギー!」


 「ギー!」


 「ギィー!」


 「ギギ!」


 そこには適性試験で見た4体のゴブリンの姿が。

 この部屋の出口はここだけだ。

 サメの化け物は天井の大穴から来たようだが俺に上るのは不可能だ。

 全員原始的な石槍で武装している。

 さてどうするか。

 これで通路を埋めるゴブリンをどうにかしないとこの部屋から出る事は出来ない。

 ゴブリンの様子からみて話し合いが通用する様子は一切ないしな。

 サメの化け物は先ほどからあたりかまわず暴れ回っているがネタがばれてしまえば、避けるのは容易い。

 だが部屋がいつまでも安全とは限らない。

 これでゴブリンをどうにかしないとこの部屋から出る事は出来ない

 仕方ない少し危険がこの作戦でいくか。

 俺は机に置かれた小さな目覚まし時計を手に取り。

 片手で俺は扉をあけた。


 「おら俺はここだ! かかってこい緑虫!」


 俺の掛け声にゴブリンは反応して扉に向かってきた事を確認してから扉を閉めた。

 ゴブリンたちは「ギーギー」と言いながら扉を激しくたたく。

 次にドタドタと激しい音が聞こえた。

 

 「キタキタ! たっぷり味わってくれよ!」


 俺は押さえていた扉を開き右に飛んだ。


 「「「「ギっ!???」」」」


 「ピギャ~~~~~~!!」


 扉から勢い余って飛び出たゴブリン達はサメの化け物を見て俺をチラリとみて顔をゆがめた。

 かかったぜ。

 なんだやっぱり共食いは出来るんだな。

 ゴブリンを貪り食うサメの化け物を後目に俺は部屋を出た。

 ゴブリンを4匹いっぺんに貪るサメの化け物の目と鼻の先を通るが気づく様子はない。

 あのサメの化け物はどうやら音ではなく言葉に反応するらしい。

 さきほどの言葉はゴブリンとサメの化け物をぶつける作戦だ。

 見境なく相手を喰らう奴で助かった。

 俺は通路を進む。

 辺りはいろいろなものが散乱し、壁に銃の跡もある。

 銃が投げ捨てある所を見るとどうやらここを襲撃したのはFTなのだろう。

 ゴブリンの背丈では扉のノブを回すことはできない。

 運がいいな俺。

 寝ている時にゴブリンとエンカウントしていたら終わっていた。

 

 「それよりどうするか他の部屋にもFTはいるようなやっぱり……せめて武器でもあればでも普通の武器効かないらしいし……」


 【誰か誰か私の声が聞こえる者はいないのか?】


 そう言葉が響く。

 まるで頭に響いているような不思議な声だ。


 「誰かいるのか?」


 【君は……ついに目覚めたのか】


 「お前は誰だ? どこにいる」


 【話は後だ。私はその先の赤い扉の先の部屋にいる時間がない。早く来てくれ奴らが私を探している。私が奴らの手に落ちればこの戦い人族は敗北してしまう】


 「奴らとは誰なんだ?」


 【魔王の配下の魔物たちだ】


 「魔王? 魔物? FTじゃないのか?」


 【FTなんだそれは? この世界の魔法かい】


 一体何を言ってるんだこいつ情報も食い違っているようだし。


 【それより頼む早く私の元へ。我が主よ】


 「主? どういうことだ」


 【それも後で説明しよう。君だってこのままでは魔物に弄ばれ殺されてしまうことぐらいわかるだろう?】


 「分かったちゃんと説明頼むぜ」


 選択肢はないなこれ。

 頼むぜ謎の奴。

 俺は手の目覚まし時計を握りしめ先に進んだ。

 これが唯一の武器かヤバいのに出会いませんように……。

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