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001夢の中で

『ふむふむこれが君の記憶だね』


 そう頭に言葉が響く。

 体の感覚はなくまるで浮いているようだ。

 視界は地平の先まで何もない白い大地と空が続いている。


 『おっと失礼僕はFTファンタジーテロリスト公安局対策課の執行官の一人佐藤歩。簡単に説明しよう君をこんな目に合わせた相手は僕たちはfantasy terrorist=FTと呼んでいる。ここは君の夢の中、あれから4年の月日が流れている君は昏睡状態でずっと寝ているのさ』


 あれから4年? ファンタジーテロリスト? 公安局対策課?

 何を言ってるんだ?


 『混乱しているようだね。でも聞いて欲しい今世界はFT達のせいで滅茶苦茶さ。世界各国の大都市にはもう人なんて住んではいない。僕たち当時の人類は彼らFTに対する攻撃手段を持っていなくてね。狙撃銃もバズーカも戦車砲の一撃もミサイルや空爆も毒や細菌による生物兵器も彼らには通用しない。それは核ミサイルすら同じさ』


 そんな存在に勝てるわけがない普通に詰んでる。


 『その通りさ。だから僕たちがいる。僕たちファンタジーテロリスト公安局対策課がね。僕たちはついに完成させたのさ。FTに対抗する手段をね。君には選択肢がある僕たちが開発した対FT兵器幻想を破壊する存在(Fブレイカー)の適正検査を受けるかこのまま眠り続けるかを、だけどあえて言っておくよ。今の人類に昏睡状態の人間をそう長く維持できる余力はない。適性がなければ君は処分されて命を失う事になるだろう』


 じゃあ何で俺は4年も生かされたんだ?


 『もっともな質問だね。僕たちはFTのエネルギーに侵された人類さ。僕たちは保持者(キャリア)と呼んでいる。君をそんな目に合わせた竜は現在確認されているFTの中で最強の力を誇っていてね。その力に耐えた唯一の生き残りである君には最高の素質がある。だからこそ期待して今まで存命できたわけだ』


 唯一俺だけ……。

 分かった適正検査ってのを受けさせてくれ。

 断って始末されるのはごめんだ。

 それにFブレイカーってのが使えればあの竜とも戦えるんだろ?


 『物わかりが良くて助かるよ。いくら最高の素質があってもいつまでも放置は出来なくてね。君を生かしておくのもただじゃないからね。これで君にコンタクトがとれなければ、問答無用だったわけだが期待しているよ。だけどあの竜と戦えるかは君次第だ』


 適正検査って何をするんだ?


 『今データを送る受信すれば、そのためのフィールドが脳内に生成される。そこで行ってもらうのは実戦形式だから気を抜かないように』


 俺は拳を握りしめた。

 ここまでくれば俺の頭もはっきりしてきて、これが夢で佐藤歩が言っている事は正しいのだろう。

 友人の敵なんてガラじゃないが、あの竜だけは生かしておけない。

 それが唯一生き残った俺のできる唯一の死者への手向けだ。

 無残に死んだアイツらへの――。

 復讐は虚しいと綺麗ごとを並べる人間は多いが、復讐を遂げなければ救われない人間もいる。

 相手に蹂躙されて恨まない方が無理難題であり、それの耐えて諦めてしまえばそれは心にしこりを残し、心の傷となる。

 負けて諦めて傷だけしか残らない最悪の結果だ。

 綺麗ごとは綺麗なだけで現実の処世術になりえない。

 俺たちは非情なる現実で生きている綺麗ごとが成立するのは極々稀て多くの時役に立たない。

 だからこそ俺は復讐を選ぶ。

 綺麗ごとに逃げ何も手にできず後悔を残すのはごめんだ。

 相手の実力? 体格? 筋力?

 そんなものは蛮勇の心には些細な事だ。

 勝てない戦いなら、勝てるようにするだけ。

 そう考えていると、辺りの光景が黄色い光に包まれる。


 『ここが君の適性検査を行うフィールドだ存分に力を発揮してくれ』


 そこは壁一面黄色キューブで囲われている円形の広大な空間だった。

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