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桃太郎英雄伝  作者: 底辺 巡
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召喚の儀

二話目です。楽しんでいただければ幸いです。

「さあ、皆の者。今から異世界の英雄、モモタローを召喚するぞ!」


大神官様が頭に反してフサフサの白い髭をさすりながらそう言った。


そういえば思ったのですが、大神官とか大魔導士とかすごい人には大をつけるのって何故でしょうか?

大の代わりに超とかつけたら……超神官……うん、大神官の方が箔がつきますね!でも、ミラクル神官とかの方が可愛いかもです。


おっと、また考えが脱線してしまいました。反省です。お爺様からもアリスは考えはじめると違うことばかり考えるから落ち着きなさいよって言ってたのでした!失敗、失敗です。


「それで、大神官様。そのモモタロー?という英雄様はどんな物語なのですか」


私は気になって大神官へ尋ねる。


「はっ、アリス様。モモタローという英雄譚ですが、先にこちらに召喚されたオーガ、あちらの世界風に言うならばオニと言うらしいのですが。そのオニから話を聞いたところ悪さをするオニ達を退治した英雄譚だそうです」


「化け物退治の英雄ですか!それは楽しみです!……ですが、なんでそのオニ?は私たちにその英雄を教えてくれたのでしょうか?オニを退治したのですよね?仇だと思うのですけれど」


「はっ!それについては悪さをしていたのは一部のオニだけであとは善良。悪事を働いていたオニ達に困ってたところにそのモモタローが退治してくれたとのことです」


「そうなんですね!そうですか、英雄モモタロー。どんな人物か楽しみですね」


私はステップを踏みながらくるくる回る。これから会うのは異世界の英雄。文化も人種も違う名も知れぬ……あ、名前は知ってましたわ。


ああ、そのモモタローは私にどんなキラキラとした物を見せてくれるのでしょうか。そのことを考えただけでこの胸が高鳴ります!


「隣の国、ジークでは既にキンタローという英雄が召喚され武闘大会に優勝を果たしたそうです。そのキンタローもニホンという国の英雄らしく……ますます期待が高まりますの」


大神官が上機嫌に言う。


「珍しく上機嫌じゃの。カルシャ」


低音だがよく通り威圧感がある声がする。振り向くと私のお父様。ヒュウド国、国王のシャルル・イオリ・ウール・ヒュウドがいらっしゃいました。


「こ、国王様!」


慌てた大神官は即座に膝をつき頭を下げる。


「良い、面を上げよ。今は私と我が娘、そしてカルシャお前しかおらぬ。楽にしてくれ」


「は、分かりました」


「それで、召喚の儀は順調に進んでおるのか?」


「はい、アリス様にもお手伝いいただいてどうにか。アリス様のユニークスキルは素晴らしいものですな」


「自慢の娘だからな」


お父様達……目の前でそんなに褒められるといくら私でもちょっと照れちゃいます。恥ずかしすぎて顔からファイヤーボールでも出ちゃいそうです。……顔から


ファイヤーボールって出せるんでしょうか。

手からではなく顔からですと不意打ちにならないでしょうか……常識的に考えると手で出すのですが敢えて顔から。ちょっと想像すると面白いですね……


今度コッソリやってみよっと。あ、でもそんな事したらまたメリーに怒られちゃうわ。アリス様ぁぁ!ってふふ想像が容易いわね。


「こほん、では国王様、アリス様。召喚の儀に移らせていただきます。もしもの為に兵をお呼び下さい」


「あい、分かった」


お父様がドアの外にいたメイドに指示を出すと部屋の外で待機してたであろう兵士が続々と中に入ってきました。やっぱりこうも兵士たちが並ぶと壮観ですね。うんうん、さて異世界の英雄モモタローどんな方なのでしょうか。楽しみですね。


「では、アリス様よろしくお願いします」


「ええ、分かりました」


私はキラキラ輝く召喚陣の前へと進み、呪文を唱える。


「我、アリス・シャルル・ココ・ヒュウドが命じます。汝、この時、この場所に我が声が届いたのならば聞いてほしい。健やかなるときも、病めるときも、貧しい時も、富めるときも、命ある限り忠誠を誓えるのならば召喚に応じよ。召喚(サモン)


私が即興で考えた祝詞?違うな詠唱か!そうだ詠唱だね!まぁ、私は天才らしいんで詠唱がそれっぽかったら成功するって大神官様は言ってたし……。


でも、それらしい詠唱は出来たのではないでしょうか。うん、ちょっとカッコよかったしえへへ。


「きゃっ!」


いきなり魔法陣が輝き出しました。ぴかーって輝いて続いてピンクの光が溢れ出ました。とっても綺麗です。こんな綺麗な光が出るなんて……生きてて良かったです。あ、大袈裟すぎました。


そして、光が収まった後。その中に1人の男性がいました。


うふふ、ワクワクしますね。これから彼はどんな英雄譚を私に見せてくれるのでしょうか。



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