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桃太郎英雄伝  作者: 底辺 巡
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プロローグ

初投稿です。お手柔らかにお願いします。

桃太郎っていう昔話は知っているかい?


桃から生まれた桃太郎が悪さをする鬼を犬、猿、雉の三匹をお供に鬼を退治してその鬼の宝を持ち帰り幸せに暮らしたという昔話だ。


……え、今なんでそんな話をしているかだって?まぁ、それは絶賛俺、山桃 鬼灯(やまもも ほおずき)は鬼に追いかけられているのである。分かる言いたい事は非常に分かる!俺もいきなり鬼に追いかけられていると言ったらそいつは中二病患者か精神科医をおススメする。だがこれは現実なんだ。しかも……


「待てええええ!桃太郎!!ご先祖様の仇ィィ!!」


と半狂乱で追いかけているのである。まぁ、逃げるよね。


「だから!!俺は桃太郎じゃねええええ!これで何度目だよ!」


なんでこんな事になっているかと言うと遡ること3時間前になる。


3時間前


「えー、だからこそこの桃太郎という話は……」


ダラダラと教授が講義をしている。昔話と伝承文化という講義は楽な単位らしいが教授の間の伸びた話し方など講義が面白くないことで有名な講義だった。


確かにこの講義は楽だが話が全く面白く無いな。俺はそう思いながらスマホを取り出す。いくつか来ているメッセージを返す。


俺、山桃 鬼灯は大学2年生のピチピチの20歳だ。大学生はもっと華やかで彼女なんか出来てキャッキャウフフな大学生活と考えていたのだが、俺の勘違いだったようで……。実際は彼女が出来るどころか女友達も数えるほど、まぁやっぱり高校生の時に彼女がいない奴は彼女がいないってか!泣くぞコラ!


「はい、今日の講義はこれで終わりです。では、次の講義までに1つ昔話について千文字ぐらいのレポートを書いて提出して下さい」


「げ、課題出んのかよ……聞いてた話と違うじゃねぇかよ……」


ため息をつきながらスマホをポケットに直しイヤホンを耳につけて教室を出る。


「こんなはずじゃなかったのに」


何度同じ言葉を吐いたのだろうか。何度も何度も繰り返し吐き出した。


そう、俺は華やかな世界に生きたかった。誰でもないただ自分というのを特別にしたかったのだ。


簡単に言えばこんな普通でつまらない世界を抜け出したかったのだ。まぁ、いきなりこの世界を変える事が出来ますよとか言われても困惑するし、どうせしないんだろうな。


自分の小市民感に飽き飽きしながら帰路につく。イヤホンがお気に入りの音楽を再生する。

そのことに少しだけ心を軽くして一歩を踏み出した。その時足元に魔法陣が広がる。


……え?魔法……陣?


そして、一度だけ浮遊感を感じて俺はこの世界から姿を消した。

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