崩れ行く日常(1)-消えた妹-
一応第2話です。
もう自分でも何が何だか…←
見ていただければ幸いです。
家に付くとお母さんの様子がおかしい事に気づいた。
「お母さん?なんかあった?」
「あっ翔!雫見なかったっ?」
雫というのは4年生の僕の妹。
今日は五時間で終わりだからとっくに帰って来ているハズなのだ。
僕も少し心配だったが………
「どうせ友達と遊んでるんだよ。お母さん落ち着いて?ね?」
僕が言うと少しは落ち着いたようだ。
「そ…そうよね。もう4年生だもんね。友達と遊んでるのよね」
そういうとご飯を作り始めた。
7:30
まだ雫は帰って来ない。
お母さんはオロオロしている。
警察に電話までしようとした。
今日はお父さんの帰りが早かったから
「まて文江、もう少し探してから警察に電話するんだ」
文江と言うのはお母さんの名前だ。
「雫…」
僕はポツリと呟くと家を飛び出した。
お母さんとお父さんの呼び止める声が聞こえたけど無視した。
今は雫が心配でしょうがなかったのだ。
「雫ーっっ!」
叫びながら探し回った。
周りの人が変な目で僕を見ていたけどそんな事構ってられるか。
今は雫が優先だ。
「雫ーっ!!雫ーっっ!」
どれぐらい探しただろう。公園に行き、時計を見る。
11:48
もう2時間叫び続けていた。
どうりで声もガラガラになるわけだ。
「雫…」
一度、家に戻る事にした。
当然、二人に怒られたが、そんな事はどうでもよかった。
何よりも雫が心配だったから。
ずっと僕に付いてきた雫。
ずっと僕と遊んでた雫。
別にシスコンじゃあないが凄く心配だった。
《今何してるんだ雫ーー。》
次の日
警察がうちに来た。
お母さんが電話したらしい。
「君が翔君だね?安心してね。君の妹は我々が必ず見つけるからね」
《警察なんか当てになるもんか!》
僕はその言葉をなんとか飲み込んだ。
そして僕はまた雫を探しに家を飛び出した。
探してる途中、ある事に気が付いた。
「今日も学校だった……。」
無断欠席はマズい。
今まで何回かあるが、次無断欠席したら親を呼ぶと先生に釘を刺されていた。
《どうする…家に帰るとお母さん達に捕まるだろう…学校には…流石に手ぶらじゃ行けない…とすると…》
《ココしかないよな…》
目の前の家の標札には『渋川』
大吾の家だ。
時間は7:25まだ家に居るだろう。
インターフォンを鳴らす。
ピーンポーン
「はい?」
インターフォンのスピーカーから大吾の声が聞こえる。
「あ?大吾?僕だけど」
「あ、翔か。」
家のドアが開く。
「翔、どうした?」
「あー…先生に今日は休みますって伝えといてくれないか?」
大吾は変な顔をした。
「家から自分で学校に電話すればよかっただろ?」
「ちょっと今家に帰れない事情が出来てね…」
「なんかあったのか?」
大吾に余計な心配をさせたくなかった。
だから
「何でもないよ」
「そうか?ならいいんだけど…」
「ああ、じゃ僕行くね。」
「…ああ。じゃあな」
「うん、バイバ……」
つぅ……
「おっおい!?お前、何泣いてんだよ!?」
僕の目から涙が流れた。
「えっ!?あれ?おかしいなっ(汗」
まるで、体が何かを察知したように涙が止まらなかった。
「お前、本当に大丈夫か?」
「大丈夫…だよ」
「…………」
「大丈夫だからっ。じゃ僕行くね。バイバイ」
「ああ…じゃあな」
大吾はまだ心配そうに僕を見ていた。
こういう時に本当に大吾はいい奴だと思う。
にしても…
なんで涙が…
泣くつもりなんかなかったのに
どうしたんだろう…。
その後もしばらく雫を探したが何も手掛かりが見つからなかった。
「今日も…駄目なのか…?」
諦めかけて空を見た瞬間。
カッ
空で何かが光った。
そしてその光は近くの公園に落ちていく。
いや 違う。
空から光が公園に伸びている。繋がっている。
「なんだよ…あれ……」
僕はしばらく眺める事しかできなかった。