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『もう、帰る』、『どんな味?』

作者: ひろち

『もう、帰る』

喫茶店で、彼が文句を言う。俺の優先順位が低いと。仕事で会えない、友達と飲み会に行く、実家に戻る、妹と電話、犬の散歩、…。俺の順位はどれくらいだよ?彼女が言う。その後ぐらい。犬の後?彼は怒って帰ってしまう。欠かせない日常生活、大好きな彼の事、一番最後に自分の事。それが彼女の優先順位。


『どんな味?』

彼女が言う。食べてばかりいないで話を聞けと。職場で自前の正論を振りかざす人に他の人の言うことも聞く様に言ったとか。彼はパクチーを食べながら考えていた。先週も、先々週も、食事は彼女の好きなものばかり。そして、パクチーってなんだよ。

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