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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

私はこの世界のスライムの神になるぅぅ

作者: スライムスキー

わたし は スライム の かみ に なる。

「ハハ、ハハハハッ……ハハハハハハハハッハッハッハァ……私はこれで、この世界のスライム(・・・・)の神になるぅぅ」


 この日、この世界に新たな神が生まれた。









 この世界には神も奇跡も存在する。但し神なんてものは大概録でもないものだが。


 そして神ならぬ身であっても、種として、個として限界を超えた存在は神に至ることができる。


 そうは言っても並大抵の事ではないが……


 人族で神に昇華したものなど古の英雄を最後にとんと現れたことなどなかった。


 同じく竜を始めとする力ある種族からも神になるものはいなくなった。


 地上に降り立つ神など神として下級の亜神程度のもの、大抵の神は神界よりこちらに干渉する。それもここ数十年絶えて久しい。このままこの世界より神が絶えるかと思われた。


 しかし、ここに待ったをかける男がいた。


「限界を超えるのが難しいのなら、限界を低くすればいいじゃない」


 魔法科学者である彼は、自身を別の低位の生物に作り替えることで神を目指すことを提唱した。


 当然周りの嘲笑を買う。


 そして長き月日が流れたある日、彼は姿を眩ませた。


 彼を笑った人々はそれを諦めと取った。



 けれどそれは違った。


 実際に神へと至る目処が立ったからなのである。


 彼は最初こそ人類全体に益をもたらすために研究していた。


 けれどその益を与えるはずだった彼らが彼を変えてしまった。


 彼は研究を独占することにした。もし、もう少し人々が彼に優しければ違ったのだろう。



 さて、そんな彼が着目したのはスライムと呼ばれる生物である。


 スライムとは名前の通りスライム状、つまりはどろりとした粘性の体を持つ生物で知性は殆ど持たない。


 スライムは体全体が消化器官であるが触れたそばから溶かすということもなく、ゆっくりじっくり分解していくため窒息でもしない限り生きたものが喰われることもない。そのため人々からは便利な生物という認識の最弱生物とされている。


 けれどそれは間違いである。


 スライムとは多くの可能性を秘めている生物なのだ。


 彼の無二の友人であった男がいた。彼はスライムを研究していた魔法生物学者で変わり者だった。彼曰く、

「スライムとは無限の可能性を秘めた究極生物である」

 と。究極生物は言い過ぎであるがスライムには確かに多くの可能性があった。彼らの体は死滅しやすい。けれどそのぶん細胞分裂が速くあらゆる環境に合わせて変化してきた。個としては最弱であるが種としては強者であった。


 そんなことを教えてくれた彼だがスライムの研究中に我慢できず、育てていた巨大スライムに突っ込み窒息死で呆気なくその生涯を終えた。彼は常々スライムに包まれて死にたいだとか死んだらスライム葬(スライムに遺体を食べてもらう)して欲しいなどと言っていたので良かったのであろう……きっと。


 そんな無二の友人の意志も継ぎ彼はスライムの神になることにした。



 まず、彼はあらゆる環境にスライムが適応するかを実験し、スライムの限界を調べた。


 スライムが身に付けることができる能力、適応出来ないもの、そしてそれを克服する方法。


 通常スライムには知能がない。だが、もしスライムが知能を持てば今まで超えることの出来なかったことも超えることができる。


 そして男はスライムの神となった。



 体に満ちる全能感、己の体に起きた変化全てが手に取るように分かる。


 神の世にも珍しいスライムの神。


 かの神の神話が今、始まる!!


始まらない!


続き? ないよ。

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