パーティ結成記念パーティ
俺とミランダが男たちを二人とものしてしまうと、後ろから拍手が起きた。
「流石」
「新米にしてはやるじゃない」
「初陣おめでとう」
どうやら危なくなったら助けに入るつもりだったようだ。
俺たちは先輩冒険者からのおほめの言葉のなかで酒場に戻った。酒場ではミストレスが女の子の手当をしていた。
「どうして追われていたんだい?」とミストレス。
「あの人たちが話しているのを聞いてしまって。……その……、クスリの密売の話です。全力で逃げてたら冒険者さんの集まる酒場があったので、たすけに逃げ込みました」
「うん。うちに逃げ込んだのはいい判断だったねぇ。ほかの場所だったら助けてもらえなかったかもしれない。しばらくはここで過ごした方がいいかもねぇ。あんたが良ければここで面倒見るけどどうだい?」
「は、はい。是非お願いします」
「ミランダ、フェニカ」
「はい」二人で揃った返事をする。
「この子、あんたたちのパーティにどうだい? えーと、名前を聞いてなかったわね」
「ニナです」女の子はうつむきがちにこたえた。
「あんたたち」とミストレスは私たち二人を見る。「ニナをパーティに入れてやってくれないかい?」
うーん、どうすべきか。正直そんなに強そうにも見えないしな。などと思う間もなく
「はい」とミランダが即答した。
「ようこそ、ニナ。これから私たち三人はパーティだよ」
仕方ないので俺もそれにあわせる。ミランダは勢いがあるな。
「よろしく、ニナ。改めてよろしく、ミランダ」
ミストレスがパンと手をたたいた。「さーて皆の衆、ここに一組パーティが結成した。これから恒例の宴だよ」
「うぉぉぉぉ」と声が巻き起こる。
「おめめとう」「がんばれよ」と、皆から祝福を受ける。
俺、今日まで生きてきて良かった。仲間ができたよ。