初パーティ
「あら、あんたたち仲良くなったのねぇ」おばちゃんが俺たちを見て声をかけた。
「ミストレス、私達パーティ組むことにしたわ」
あのおばちゃんはミストレスだったらしい。見たまんまだな。これからもおばちゃんとよぼう。
「あらあらいい仲間に出会えてよかったわねぇ」とおばちゃんが言った。「それで、あなた……まだ名前を聞いていなかったねぇ」
「フェニカです」私はこの名を名乗るのが誇らしい。
「フェニカちゃん、ミランダは武器は全然だけど、魔法の腕は確かだからきっとうまくいくよ」
「あとはパーティに入ってくれそうなのといえば、そうねぇ」とおばちゃんが悩んでいると。
突然女の子が宿に駆け込んできた。
「助けてください。追われているんです」
おばちゃんは女の子の様子を見ると言った。
「あんた達、初仕事だよ。助けてきたら、今夜の食事代出してあげる」
「おっしゃ、やる気出てきたー」とミランダが叫んだ。
二人で店の前に出ると、剣を持ったゴロツキの男が二人走ってきた。二人とも抜刀している。
「あなた達この店に何の用? 私は晩メ……、この店に怪しいものが近づかないように見張ってるんだけど」とミランダ。
「うるっせぇ。オメェラには関係ねぇだろうがよぉ。今さっき店に入った女をだせや」
うわー絵に描いたようなゴロツキだ。
「抜刀した人を理由もなく店に入れるわけにはいかないわ」至極まっとうな理由付けだ。
「うるせぇ」というが早いが男の一人は剣を振り上げて、振り下ろした。
それを俺は、盾で受け止め、剣のつかをみぞおちにぶち込んだ。
「ウゲェ」とダサい断末魔を放つと男は倒れた。
あれ、俺もしかして強いんじゃね?
ミランダは俺が敵の注意を惹きつけている間何か呪文を詠唱していた。そして、うまく俺を避けて残った敵だけに命中するように火球を放った。
俺たちの初勝利だ。