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騎士から言い寄られる

 一月の間に俺はクスリと性の中毒になっていた。クスリ漬けの性行為は最高に気持ちが良かった。


 そんな俺はある朝、別室に移動させられ薬を投与されなかった。


 禁断症状と言うのだろうか。始めは少しいらいらする程度だった。次に自分を慰め始めた。それでももの足りず、クスリを求めた。禁止されているのにも関わらず声を大にして求めた。


 そこでおれは部屋から出され、ショースペースに連れて行かれた。俺は期待した。いつものようにクスリを打ってもらえると。


 しかし、クスリは投与されなかった。


 俺は服を脱がされ、手足を鎖でつながれ、ショースペースの上に座らされた。


 そして競りにかけられた。俺にはすでにこれが何を意味しているのか理解する頭はなかった。あまりにクスリと叫び続けるので猿ぐつわを噛まされた。


 俺を買ったのはイケメンの騎士だった。そして、広い邸宅を持っていた。


 俺は邸宅の中で、メイド兼妾という立場だった。騎士には妻がいたが、俺みたいな妾は何人かいた。俺としては薬のない状態で男に抱かれるのはごめんだったので、のらりくらりと関係を避けた。


 俺は薬が抜けて落ち着いてきていた。先のクスリは一度体から完全に抜けると依存性がなくなるらしい。



 「なあ、君いい加減教えてくれてもいいんじゃないかなぁ?」毎日毎日、騎士は言った。この騎士は俺の名前を俺自身の口から聞き出すことを目標としているようだった。

「私に名前はありません。ご主人様」

 しかし、俺には名前がない。その事実は変わらない。

 俺はもはや女の格好にも女言葉にも、奴隷の身分にも抵抗がなかった。メイド服が似合うことがむしろ誇らしげにさえ思えた。それは性にまみれた生活ではなく、文化的な生活の象徴であった。

「君は頑なだな。しかしだからこそかわいらしい」


 騎士が俺に惚れているのだと気づいて俺は身震いした。



 騎士は俺と自然な恋愛をしたいようだった。それゆえ、俺に対して手荒なまねはいっさいしなかったし、俺に性的な命令をする事もなかった。



 ただ、奥方の前でも俺を口説いてくるのでそれには困っていた。男とは鈍感なもので女性の嫉妬に鈍いらしい。半分くらい女の俺には奥方の嫉妬が伝わってきた。


 俺は怖かった。奥方の嫉妬によってまたあの地獄へ戻されるのではないかと。


「君のためにプレゼントを買ってきたんだ。似合うと思う」といってかわいらしいワンピースをプレゼントされた日、奥方の怒りが頂点に達した。奥方は騎士を平手打ちにすると私の方を見ていった。

「着いてきなさい」


 私はしげしげとついていった。


 そのまま馬車に乗せられ、奥方は従者に言った。

「売っておしまい」


 俺は再び売られることとなった。夜のパラディオンというらしいはいつもと変わらず、煌々と光っていた。

 俺の誇りであったメイド服はそのときに奪われた。

これR15でいいのかな?

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