お姉ちゃん
顔合わせから帰り、ミネルヴァと話した。
「あのアリシアって獣人さんの言ってたこと本当なのかな?」
「うーん。今晩リベルタスさまに聞いてみよう。返事くれるかわからないけど」
「リベルタスさまに会えたら、パラディオンの真犯人が誰かもちゃんと聞いておいてね」
私は既に知っているのだけどね……。
その晩ベッドに入った後もしばらく話した。
「昨日まで毎日私は亡くなった姉様のことを想って泣いていました。私にとって姉様は、憧れであり、模範であり、大切な人でした。その姉様を失ったショックから私は立ち直れなかったのです」
私も、半年間辛かったなぁ。
「それも今日で終わり。学校に入ったら泣かないって決めたのです」さっき思いっきり泣いてたけど……。
「うん。ミネルヴァはきっと立ち直れるよ」隣のベッドのミネルヴァに呼びかける。
「でも、でも、ですよ。フェニカさん。私……どうしても寂しくて……。やっぱり泣きそうで……」
「ミネルヴァ」
「そっちのベッドへ行ってもいいですか?」
「え?」
ドキッとした。
「その……忘れてください。寂しくなんて無いんです」
ミネルヴァはごまかした。しかしその声はやはり泣きそうで……。
「いいよ、おいで。ミネルヴァ」
ミネルヴァはゆっくり起き上がった。泣いているかはわからない。
私はただ、ゆっくりと布団をめくった。
「今日から私がミランダの代わりになるね。お姉ちゃんと思っていいから」
ミネルヴァは、布団の中に入り、そして……。
「姉様と呼ぶのは姉様に申し訳が立たないので、フェニカお姉ちゃんと呼ばせてください」
そういうと、ミネルヴァは私の胸の中で泣いた。




