第3話「状況把握」
文章短くてすいません(´・ω・`)
その分投稿ペース上げてくつもりです
「これは………何だ?」
突然頭の中に表示された情報に俺は困惑した。
【種族名:タイニーインセクト Lv 1/5
個体名:無し
状態:瀕死
HP 2/8 MP 5/5
魔法:無し
スキル:チュートリアル、鑑定、スキル奪取、痛覚軽減】
【現在地:ヴェヘルヴ山脈…ボルテニア大陸の北にある巨大な山脈。攻撃的なモンスターが多く、一般人の立ち入りは禁止されている】
二つ目は地名だろうか…?
「現在地って書いてあるからこの山脈のことだろうけど、気になるのは一つ目だね。HPとかMPとか書いてあるし、ゲームとかのステータスに見えるよね」
問題は、このステータスが誰のものかである
「さっきの巨大蜘蛛か?確かにどう見ても虫だし、インセクトって名前が付いてもおかしくは無いけど…」
と、そこで頭の中に情報が流れ込んでくる直前に聞こえてきた声が脳裏をかすめる
【自身のステータス、及び現在地を表示します】
「まさか……!」
俺はとっさに川に近づき、水面を覗き込む。そこに映っていたのは、今まで飽きるほど見て来た自分の顔────ではなく、蟻と蜘蛛を足して二で割った様な姿をした1匹の昆虫だった
「じゃあ、やっぱりさっきのステータスは俺のものか」
そして俺は、先程の巨大蜘蛛や俺が飛ばされた山脈、現在の自分の姿から、一つの答えを導き出す
「異世界転移ってやつか……」
学生時代、読書好きの友達に無理やり読まされた小説の中に、確かそんなものがあった気がする
異世界に飛ばされ、凶悪なモンスターや最強の賢者になった主人公がゲームに出てくる様なスキルや魔法を使って成り上がっていく…
至高のファンタジー小説だとか友達は言っていたが、まさか自分自身が体験することになるとは思いもしなかった
警察とか呼んで救助して貰おうと思ってたけど、どうやらそれも期待出来そうにない。ここでサバイバルをしていくしかなさそうだ
「まずは周囲の探索だな。とりあえず安全な寝床が欲しい」
俺は3本の足で身体を引きずりながら、この谷の探索を始めた
結果、この谷はほんとに岩ばかりだった。川の近くには僅かながら草が生えているものの、決して良い環境とは言えなかった
それと、俺の落下地点のすぐ近くに一緒に落ちた蜘蛛が居た
針の様に鋭い岩に突き刺さっていて、一応動いてはいるがもう長くは無いだろう
「キシャァァ……」
「こいつどうしよう…」
先程の恨みがあるので助ける気にはならないが、ここまで酷い状態になっていると、蜘蛛が可哀想に思えてくる
だが、万々が一蜘蛛がここから抜け出したら洒落にならない。そのためこいつにはここで死んでもらう
「さらばだ蜘蛛よ。お前は良きライバルであったよ」
かなり上から目線で蜘蛛の首を切り落とす
そこで再び、あの『声』が聞こえてきた
【レベルが上がりました】
【レベルが上がりました】
2回のメッセージを残し、『声』はまた黙り込む
「…………え?」
主人公の洞察力がやたらと高いのはご愛嬌