プロローグ
初投稿です。まだまだ至らぬ点も多々ありますが、暖かく見守って頂けると幸いです
俺は夢見 輝夫
29歳の無職だ
大学卒業後すぐに就職したが、仕事先の上司と喧嘩になりあっさり退社
新しい仕事を探す気にもなれず、今まで貯めてきた預金を食い潰して生活している───いわゆるニートってやつだ
既に両親は他界しており、妻も兄弟も居ない俺は完全に独り身だ。寂しくないと言えば嘘になるが、わざわざ恋人を作る気にもなれないし、俺自身この生活に満足しているので問題ない
俺は「ダークデーモンオンライン(DDO)」というオンラインゲームにハマっていた。リリース当初からのプレイヤーで「疾風のテル」としてそこそこ名も通っていた。ゲーム内では沢山の仲間に恵まれており、今も
「ゲームの世界に入れたらなぁ〜」
などと呟きながら帰路を歩んでいる
この十字路を左に曲がれば我が家が見えてくる。お隣さんのポコはとても人懐っこく、帰ってくる俺の足音が聞こえてくると、この十字路まで駆けてきてワンワン鳴きながらじゃれてくる────しかし今日はどういうことだか、そこにポコの姿は無い
「昼寝でもしてるのかな?珍しいこともあるもんだ」
などと言いながら曲がり角を曲がると、そこには異様な光景が広がっていた。
無かったのだ。
俺の家も、お隣さん宅も、ポコも、全てまとめて”消えていた”─────いや、正確には俺の家やお隣さん宅があった筈の場所に、大きな”穴”が出来ていたのだ
「嘘だろ…」
隕石でも落ちたかのように大きな穴は、周囲に邪悪な気配を漂わせ、その存在感を主張していた
恐る恐る近寄って覗き込んでみると、穴は果てしなく深く、視界に映るのは闇のみであった
見つめているだけで自然と魅入られ、引き込まれてしまいそうなその大穴に、自然と俺は身を投じていた
「えっ!? うわあああああああああああ!!!!」
─────気がついた時にはもう遅く、しがみつこうと伸ばした手が空を切る
ゆっくりと輝夫の体が深い闇に飲まれていき、彼は意識を手放した
なんか…凄いありふれた感じになりました(´・ω・`)