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病みお嬢様のお悩み   作者: 亀の甲羅
第8章
8/9

秘密

俺は焦っていた。いずれバレるのではないかと、焦っていた。

とっさに柏崎さんが妙な名前を名乗ってくれたからいいものの、正直いつバレるか不安である。


カフェに入ってからというもの、俺はそればかり考えていて他のことが頭に入ってこなかった。



「…光牙…おい光牙、聞いてるか?」


「えっ!?ああすまん、なに?」


「お前今日ちょっと本当に変だぞ?風邪でも引いたか?」


「そんなことないけど…」


「わかった!初めてのデートで緊張してるんだね!武嶋くんも隅に置けないねぇ〜」


「だから違いますって。」


「ねね、鏡花ちゃんは武嶋くんとどこまで行ったの?もうキスはしたの?それとも…もうそれ以上の関係とか!?」


「ぶっ!!」



俺は飲みかけていた飲み物を盛大に吹き出した。まるで漫画やアニメでよくみる光景のように。



「うわっ、汚ねえ!」


「わ、悪ぃ…」


「あっはははは!冗談だよ冗談。チェリーボーイの武嶋くんがそこまで行けるわけないもんね。」


「大宮先輩…カマかけましたね…」


「ごめんごめん。ちょーっとからかっただけだから」


「あ、あの…」


「ん?」


「お二人は武嶋くんと仲が良いんですね…。」


「仲がいいっていうか。昔からの腐れ縁ってだけ。いわゆる幼馴染ってやつ。」


「そ、そうなんですか…」


「まあ光牙は昔から変わんねえもんな。」


「そうそう。チェリーボーイだし。女の子にモテないし」


「わ、悪かったっすね。モテなくて」



こうやって笑っていられるのも時間の問題だと思う。いつ柏崎さんだとバレてもおかしくない。…いやもしかしてもうバレてる?だから俺の話題ばかりしてくる?



俺はただ、心の中でバレてないことを祈ることしかできなかった。


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